そろそろバイクのシーズン。その日に向けて様々な整備にいそしんでいる方も多いのではないかと思います。
さて、レースを頻繁に戦っている方であればブレーキ・フルード&クラッチ・フルードはレース参戦前には交換されていると思いますが、一般に山遊びライダーは中々交換されない。と、いうか気が付かない方が多い。
しかし、この比較的簡単な作業を行うだけでライデングの質を大きく向上させる、気持ちよく走れる事が可能だという事を知っておいて損はありません。
現在のtmの様な純レーサーとて使用されるブレーキ、クラッチ・フルードはDOT4が主流。
嬉しいのはDOT4 は通常の自動車用品量販店でもSSと言ったところでも簡単に、しかも安価に入手可能。
大体、自動車部品店ならリッター¥1000円程度にて購入できます。
しかも1リッターあれば前後ブレーキ&クラッチ・フルード2回は交換可能。
ただ、吸水性から劣化しやすいので保管は気を付けなければなりませんが。
後でも述べますがこの部分も含め、またフレッシュな状態で使用する為にもこまめな交換をお勧めします。
DOT5といった物もあります。またブランド品もありますが、頻繁に交換するなら高価な物は必要ない。勿論、この部分はお好みですが。
ましてOff Useであれば温度上昇等ロード程気にする場面はないでしょうからDOT4、つまり、メーカー指定で十分。
尚、シリコン系のフルードを注入するには少々手間暇というか、通常のフルードと混じると問題が出ます。事ブレーキの事ですからあまり変な物には手を出さない。高価な有名ブランドも良いかもしれませんが安価でも実績あるメーカー品が安心。
尚、DOT5と4と言った混合使用は厳禁です。
何故交換するのか?
単純に劣化します。また、劣化するとブレーキのタッチ、効き具合、コントロール性、重さと言うか操作性が変化してくるからです。
ブレーキは入力が小さくとも強力なストッピング・パワーを、また、コントロール性も向上。
クラッチの場合はもろに操作が軽くなる、ダイレクト感、切れが向上します。
多分驚くほどに。
劣化の原因としてブレーキ・フルードの吸水性。
基本密封はされていますがパットの摩耗に応じて液面が下がる。つまり、空気が入りますから吸水、劣化します。
また、ブレーキは熱を持ちます。その温度変化でもオイル同様に劣化します。
更に劣化、汚れるとマスター、キャリパー内部構成部分に攻撃性がでます。つまり、痛みますし危険。勿論、ラバー類も時に交換すべきです。
ましてパット交換された場合は必須と言ってよいでしょう。
余談
但し、本物のブレンボ・キャリパーはブレンボ純正インナー・パーツは基本ありません。
フルード交換後の気持ちよさをぜひ知っていただきたい。特に茶色に変色している様な場合その効果は絶大。
交換頻度は?
北海道の場合はシーズン前には必須。
年中乗れる人、乗る人なら3月に一度は最低ライン(レーサーですから)。
ましてレース参加前はタイヤ交換と同じレベルで重要な作業と認識された方が良いでしょう。
交換方法は比較的簡単。
特にフロントは簡単です。
まず、バイクもメンテスタンドなどで傾かない様に立てます。
マスター・シリンダーを水平にしてキャップを外し、古いフルードをスポイト等で吸い出して新しいフルードを満たします。
キャリパーのエアー抜きバルブにビニール・パイプをつなぎ受け皿に導きます。
エアー抜きバルブを緩めてフルードが流れるのを確認。
後はマスターのタンクに減っていくフルードに応じて足していきます。
この際、タンクを空にしてしまう、レバー操作をしますとラインにエアーが購入しますので通常のエアー抜きが必要になります。
つまり、自然落下が楽で大事です。
大体、150~200cc流れ出ましたらエアー抜きバルブを閉め、ブレーキを作動させてみてエアー混入がないのを確認してマスターのキャップを閉め、マスターの位置を元に戻して再度何度かブレーキを作動、またバイクを押しながらブレーキ作動を繰り返して引きずりのないのを確認して終了。
リヤもフロントと同じ方法がとれる機種とそうでない機種が有るかと思いますが、まずタンクをフロントと同様に古いフルードをスポイト等で除去し新しいフルードで満たし、通常のエアー抜きを行います。リヤの場合はフルードが変色している場合も多いのできれいなフルードになればOK。
フロントと同様に引きずりを確認して終了。
クラッチは通常のリア・ブレーキと同じ感じで。
尚、この作業は基本個人というか、オーナーご自身の自己責任です。
もし、他に依頼する場合は認証工場、整備士資格のあるショップに依頼してください。
また、ブレーキ・フルードは塗装を侵しますのでご注意ください。
早く雪が解けないかな~!