よく言われるのは「tmはパワーがありますね」
「パワーがある」という形容詞は一般的に誉め言葉、でも人によっては「パワーがありすぎ」という場合もある。
パワー(トルク)があって良いと思える方はやはり中級者以上。またはマシンのコントロールというか?適格なスロットル・ワークがおできになっておられる方。
ただ、そういう方はパワーに加えてフレームとかブレーキの良さ、違いなど同時に判断される。つまり、マシンをきちんと評価可能な方でもあります。
余談
エンジンに目が行きがちですがtmの自慢であり評価してほしいのはシャーシ。
いくらエンジンにパワーがあってもシャーシがより速く、良くないと速く、まして安全、確実には走ません。
レーサーとして評価が高いというのはシャーシ性能の高さが有って初めていえる事。いくらパワーがあってもヘナヘナのサスやフレームじゃ上手くも速くも走れません。ブレーキも効かない、コントロールできなければ速くは走れません。
つまり、パワーがあるのは速いシャーシだから。また、シャーシが速いからパワーが必要ともいえる。だからtmにとってパワーが有るのは当たり前。
そう、パワーは「レーサーとして速いマシン」の条件の一つでしかありません。
つまり、バランスって話になりますね。
何故か?スロットルを意味なく開ける方を見かけます。
と、いいますかスロットルを開け過ぎる傾向です。多分、それまでの車歴と言いますか、あまり良いとは思えない、パワーのないバイクに乗られてきた方々なのかもしれません。
tmの場合、同じ排気量の中でも抜きんでたパワーを持っています。
でもtmのパワーは使えるパワー。つまり、低回転からトルクに支えられ、おまけに良く回る。
ですから、ラフなスロットル・ワークだと走りが荒くなります。結果、姿勢を崩し乗りにくいとなる。
まして、その方のバイクの中(つもり)でスロットルを開けると、開け過ぎになっている事に気が付かず「パワーがありすぎて乗りにくい」と言う話になってします。
ま、転倒や怪我につながらなければ良いのですが。
余談
試乗とか人様のマシンを乗る場合、いきなり全開や開けすぎは自分の為にもまずいでしょう。
いままで30年以上にわたって試乗会などにて最初の乗車に至る動き、乗車姿勢、エンジン始動、ギャーをエンゲージ、走り出しを見るだけでその方の大体の実力は分かるようになってきました。
あまりに見かねると正直試乗をお断りしたい。乗っていただいても仕方ないな~って思う。(実際にはお断りはしませんが)
半面、是非乗ってもらいたいな~って感じる方もおいでになる。
偉そうに?
そう感じられても仕方ないのですが、自分が判っているのではなく経験と良いマシンに恵まれて成長させていただいた。つまり、tmというマシンによって育てられてきたわけです。
ですからtmが基準になります。
また、何方もtmは良いバイクというかマシンと認識されておられると思います。
他のマシンにも機会があれば乗ってみたいと思う反面あまり実際は乗りたくない。
いいな~と思えるマシンというかバイクはあまりにも少ない。それもすべてレーサーとしてであり、してtmが基準だからであり、理想だからなのは間違いない。
以前tm試乗ご希望の方とその方のバイクと交換して山道を走りました。
すると想像を超えて車体もいい、足もよくて、すんげえ~いいじゃん!これは買いでしょう。
と、感じたマシンがありました。
当然、tmよりお安いので「一寸やばいかな?」なんて思いながらコーナーを三つ四つ回っているうちに「壊しそう、壊れそう」って、感覚を覚えました。
つまり、パワーがないので「回しっぱなし」なのです。ワイヤーが切れるほど常時全開でなければtmについていけない」。
また、それ以上パワー(速くなったら)があったらサスが?って、感覚も伝わってきます。
パワーと言うかトルクの薄さからスロットルがスイッチ状態になっておりスロットル・コントロールどころかonかoffのいずれか状態。
人様のバイクですから、壊すとまずいですから途中でペースを落としました。
余談
ちなみに同じ125同士です。
最初はすごく良いマシンだと思いました。おまけに価格的にもリーズナブル。
でもレーサーと言う速さ、何より面白さが見いだせません。また、tm並みのパワーを実現したらフレーム、サスに不満が出る。つまり、それなりのバランスを保っている。が、速いレーサーとは言えない。
基本は良いバイクとは思うが、レーサーとしては物足りない。なにより、乗って愉しくない。
それが同じエンデューロ・バイクと宣伝されますからいらぬ混乱も生じる。
一方は乗り易いし安い。tmはパワーもすごいけど高価!
つまり、tmの方がレーサーとして実力も性能も上ですから当然価格も高いのが普通なのですが、単純に価格だけ比べられます。
が、上級者には物足りなくとも初心者にとって乗り易いマシンは必要なのも事実。
何故なら最初から速い、上手いライダーはいないから。初心者にいきなりtmはお勧めしない。
tmにとって乗り易いは誉め言葉にはなりませんが、先のマシンには最高の誉め言葉。
雑誌のインプレもきちんと評価のできるライダー、それも初、中、上級者それぞれのインプレが欲しいと思う。
もういいでしょう。どれもこれも良いマシンはないのです。同じ様に誰にとっても良いマシンはありません。