オーリンスTTX

先日、初めて前後オーリンスTTXを装備の2020tm250EN ESに乗ってみました。

TTX仕様の直前までは年式違いのKYBとtmショックの2019tm250EN Fi ESをライディング。

つまり、同じ場所、機種で直接乗り比べてみたのです。

ただ、19の方は良い状態でサスペンションに当たりが出ており、しかも自分の好みになっていますから「サスいいじゃん」感満載であり、不満も不平も全くない状態です。

特に轍の中の安定感と言うか安心感、しなやかにギャップを吸収するすばらしさに「流石はtm」って、ヘルメットの中でにやけてしまう程にスンバラシイ!

 

tmのサスは固めのフィーリング。

Gがかかる、ハイ・スピード、荒れた路面等、つまり、ハードな状況に対応すべくセットされています。それはトップ・ライダーの走りに対応できるGPマシンとしてのセオリーであり、世界戦で勝てるマシンとしての教科書的マシンともいえます。

 

しかし、19の後期モデルからの20モデルはFi、キャブと共にハード・エンデューロに対応、またコース、ライディングの変化に対応され従来から比べると、「しなやか」というかソフト・セッテングになってきました。

それはある意味には一般的な我々にとってはライダー・フレンドリーになってきたといってよい。

勿論、現在のトップ・ライダーにとっても不足にない。つまり、よりライダーに対しても守備範囲が広がってきました。同時にあらゆる状況に対応する範囲も広がっています。と、言いますか時代にそった進化です。

 

忘れてはならないのはフレームもそれに合わせて変更されているという事実。08からのアルミ・フレームはほとんど毎年のようにモデファイされており、時に3年連続レイク角などのジオメトリーは変わっております。

軽いだけでもない、強いだけでもなく「しなやかさ」も兼ね備えたtmのフレームは、もはやアルミ・フレームでなければ達成できない世界に突入しています。

 

19から20にかけてのサスペンション・セッテングの変更はまるでフル・チェンジもしくはユニットが違う?と言える程の変更です。

だから現在のKYB+tmショックの組み合わせは最高+最良と例えてよいほど熟成されました。

 

最初のライドとなったKYB+tmショックを装備されたマシンの走行は1000㎞ほどでしょうか?実に具合が良くて時に林道をつなぎ、時にアタックと言った我々の通常の一般的な山遊びでは最良と言える状態です。(まったく標準のまま)

KYBの剛性感はそのままに低速では気持ちよく良く動き、中間から粘り、ボトムでは踏ん張る。して、その過渡特性が実にスムース。何より乗って気持ちが良い。サスが良いと感じます。

 

加えて若干ソフトなSPの設定ながらショックの意識がなくなる程スムースなtmショックとのマッチングは何とも気持ちが良い。

何より安心感、安定感である。

今回実際にコーナリング中フロントが轍の縁に乗り上げ(つまり、フロントだけ逆バンク)一瞬フロントがすくわれる、滑る感覚が一瞬伝わりましたが、まったく恐怖感もなくクリア。

 

つまり、標準仕様のサスペンションでも全く不平も不満もない。それどころか標準のままこれほどのサスペンションを味わえるtmに素直に感謝です。

 

さて、オーリンスTTX

 

ポジションが違いすぎる為にコーナー等のインプレはひかえますが、新しく当たりが付いていない中でも確実な接地感はその素性の、質の高さは瞬時に乗り手に伝わります。つまり、まったくの初乗りでも感じる上質感はオーリンスだけの、TTXの世界。

 

して、その新しい中でも全く「角がない」と、いう表現で良いのかもしれません。また、リヤにショックという存在感を全く感じない自然さには脱帽です。

つまり、実際はダート、オフロード走行しているのですが大げさながら「鏡面の様に平の上を真円のタイヤで走っている!」そんな世界をオーリンスTTXは見せてくれる。

 

マシンもサスも全く標準状態。

ただフロントの「圧」を1ないし2弱めたいかな?もしくは伸びを1ないし2強めたい。

と、好みで感じたそれだけです。ただ、先に述べましたがポジションが全くあっていないので何とも言えませんが。

ま、セッテングの話など今はまだ如何でもよいのですが、そういった部分をライダーの乗り方に伝えてくれる、教えてくれるのも高度なマシン、サスペンションならでは。

ただ、その時点で走行40㎞弱の全く新車状態ですから今後の変化、進化を見てからですが、それも上質感はそのままに固さだけがなくなる。って、言うのが分かる。

 

それと接地感、路面情報の豊かさ。

19以前のKYBはまるで路面を自分の手でなぞっているように伝わってくる路面情報と絶大な接地感を感じさせた。しかし、セッテングがソフト方向に変貌してきた19後期から20のKYBではその部分はさらに進化。言い方を変えるなら必要以外の情報をカットしている様。

 

それがTTXだと自らが路面を掴んでいるといった方が良いのだろうか?

いや、安心感が絶大です。

何も考えずにスロットルを開ける。ただ、前方に集中していればよい。後はtmにお任せ感にあふれています。

 

価格差?

ですがオーリンスTTXを知ってしまうと「ウ~ン」と、唸ってしまう。

また、KYB+tmショックに不満はない。

ですがオーリンスTTXを知ってしまうと「ちょっと」と、考えてしまう。

ラップタイムならお互いにそん色はないでしょう。ライダーによってはKYB+tmショックの方が速いかもしれない。いずれも差はない。ただ、味わいが違う。

 

いずれにしてもtmのフレームあっての話。

ですから、KYB+tmショック仕様のtmをお持ちの方は後でも変更可能です。

 

いずれにしても「罪」なマシンであり、サスペンションです。

 

おまけ

ヨーロピアン・エンデューロと言えば高名、高性能、高度の代名詞のようなサスペンションが装備されております。しかし、現在それは大きく様変わりしております。

かつてはイタリアのマルゾッキ、パイオリ。オランダのホワイト・パワーそしてスェーデンのオーリンスが特に高名であり高性能ユニットの代名詞でした。

例えばマルゾッキ・フォークにオーリンスの組み合わせだったり、ホワイト・パワーだったり、パイオリ+オーリンスと言う組み合わせも素晴らしいかった。またtmに代表される前後オーリンスですとか前後ホワイト・パワーのマシンもありましたが、多くのマシンで多かった組み合わせと記憶にあるのがマルゾッキ+オーリンス。

しかし今、イタリアのマルゾッキ、パイオリ、オランダのホワイト・パワーはその姿を消してしまいました。

注 ホワイト・パワーは現在WPと変更されておりますが従来のホワイト・パワーとは

  会社そのものも違います。

 

tmはいつの時代も「tmレーシング社」の名に忠実に過ごしています。

だから今はKYBであり、自らの納得の為にショック・ユニットを開発するというこだわりを持っています。

だから標準仕様がtmレーシングのマシンとしては最高なのですが・・・。

しかし、今もなおオーリンスを工場オプションとしています。それは今尚オーリンスを超える物がない。つまり、一級品を超える超一級品のあかしなのでしょう。