tm injection & final impression

画像は現在tmインジェクション・のエンジンセッテングの際、PC上に現れるセッテング画面。

以前、専用コンピューターが必要でしたが現在はパソコンからソフトをダウンロードするだけでセッテングを可能にします。

 

余談

勿論、専用の接続ツールは必要。


何、言ってるの!今はスマホの時代だよ。

と、言われるでしょうがtmのそれは知識さえあればECUを真っ白にして尚且つ、自分なりのマッピングを可能にする高度な物です。

速い話、tmはレーシング・コンストラクターですから簡易的な物は最初から考えていません。

 

いやいや、そうじゃなくてコースや気温が変わればセッテングの変更は必要でしょう!

そのように思われてもっともです。

が、電子制御であるならセッテング・フリーであるべきと考えます。何故ならマシン自身が各部の状態をチェック&調整するからです。

 

つまり、気温、水温、スロットル開度、ギャー・ポジションによって適正な燃料を供給するのですから、本来セッテングなど不要だと思いますが・・。

ですから、そのようなセッテング機械がある方が不思議と言えば不思議。もしかして基本セッテングがなっていないから・・?

 

勿論、先の専用ソフトは故障診断もカバーしますから販売店には必要になるでしょうが、一般の方に必要かは正直疑問。

 

この画像はその基礎となるセッテング違いのECUを換装している画像。

マシンは2T250Fi(2020)

何故、新型、新車のECUを交換/変更するのか?

 

そのお答えの前に、日本仕様と言う部分をお知らせします。

基本的に通常はこういった部分は本社セッテングのままです。

が、時に試乗してみてもうちょっと・・だったら?と、言う部分が見つかる場合があります。

と、言いますか日本における使用ではこの部分を変更した方が良いのでは?と、いう部分、装備があった際は本国とは異なる日本仕様となる場合があります。

 

それらを技術者とやり取りします。

今回の内容は。

300ではあまり感じなかったが250では低速域のガスが濃く「日本の高温多湿の中では濃すぎ。もう少し薄くしたい」と、いう内容で質問に対して、「我々のセッテングは様々な気温、湿度、使用状況でセッテングを行っている。今のセッテングがベストなのでセッテングは必要ないはずで変更はお勧めしない。また、低速部分のみでは全体のバランスが狂う場合もある。だから、単純に低速だけの変更は無意味だ。ただ、基本セッテングそのものを変更したECUを送る。そちらが良ければ日本からの注文、仕様はすべてそのECUを装着する。もし、それでまだ不満が有ればセッテングデータを送る。」

と、言った内容のやり取りからやってきたECUを取り換えている画像。

 

で、20日の試乗会前に間に合ったので試してみました。勿論、試乗会後にまた戻しテストを重ねますが。

実際、大きな違いは体感しませんが、ちょっと全体に薄い感覚です。良い分は軽快に回る。

ただ、元々軽快なので果たしてこれが良いのか?って、部分はこれから乗ってみて判断します。

 

余談

このやり取りからそうですが、tmが自信を持っているのも良く分かる。

このセッテングに相当の時間を費やしているのも知っていますから。また、この濃い意味も良く分かっています。

実際、中、上級者からは全く不満は出ない。と、思われるが初心者にはちょっと低速が濃いかな?って、思う。

が、こんな心配、要求をしては日本のレベルが知られるのと同じなのでtmに対しては恥ずかしい限りなのですが・・・。

 

混合じゃないし、電子制御の燃料噴射だからカブらない!って、事は有りません。理由は大出力レーシング・エンジンだから。

サーモスタット/センサーが装備されているのは水温管理が大事と言う意味。

そして今の燃料噴射はとても高度、しかもパワーもある。

 

そう、トレールバイクの様に暖気と称していつまでもアイドリング放置を可能にはしていません。山の中にて用を足す際も今まで同様にこまめにエンジンを止める。の、がレーシング・マシンのセオリー。電子制御の燃料噴射だからと言ってなんでも許されるわけでもありません。レーシング・マシンのセオリー、常識で接することです。

 

でも、セッテング・フリーでこの高性能、パワー、しかも混合ガス要らず。って、いうのは本当にすごい時代になったものです。

 

あれっ、もしかして余計なお世話しているのは自分か?

 

そして最終インプレッション

250/300Fiを直接乗り比べてみて、見えたのが250は伝統的なエンデューロGPマシンであり、300Fiはハードエンデューロマシンと言うのが最も正しい。

そういう意味では“tmらしさ”そのものです。

 

それぞれに特化された高度なマシンならではの振る舞いです。

250の速さはやはり伝統あるエンデューロGPマシンらしさにあふれている。

250と言う排気量のマシンは伝統的に速さを要求される排気量だからその部分を昇華させてきています。

 

して、300はすべてに余力あふれた大人のマシン。走破性重視の力強さはよりハードなシチエ―ションで有効。強大な低速トルクに支えられた適度なレスポンスは250のスムースさ軽さとは別の安心感を難所で見せてくれ何所でも行きたくなります。

反面250の回したくなる軽快さと速さは250のならではでしょう。

 

また、勘違いを覚悟であえて言うなら300はキャブレター・チックに感じなくもない。

でも、スロットルワーク自体は全く自然でキャブ、Fiの違いは意識しても分からない。それほど自然です。

 

同じ車体というか、シャーシを持ちながらここまでキャラクターが違うというのは実に小気味よい。

 

ただ、日本では300は公道走行が許されないというジレンマ。

幸いにも日高ロックスではナンバーの必要ありません。また、クローズドコースでのレース使用しかされない方なら実に有意義なマシンなのは事実。

 

250の有効性

日本における使用、公道走行レースなら最強のマシンである事は疑いようがありません。特に強靭なフレームと追従性の良いサスペンションの組み合わせは特にハイスピード域での安全性、操縦性能の高さに舌を巻く。

実際、エンデューロ・シーンだけではなくラリーでの使用でも相当なポテンシャルを発揮すると断言できるシャーシ性能。そう林道移動でのハイスピード・コーナーの痛快さ、速さそして面白さは特筆できる。また、その走りを可能にするエンジン・パフォーマンスはこれも乗らなければ分からない。

なにより、Fiのちょっと気軽に出かける山遊びの手軽さは実にライダー・フレンドリー。して反面、痛快さ、面白さはとても贅沢な時間を過ごせる。

 

また、エンデューロ使用で実感する“軽さ”は様々なライダーに自信と安心を与え、同様に低速でよりスムースなトラクションは難所やマディーな状況でもライダーを前進させてくれます。つまり、エンデューロGPマシンとしては最高峰であるという事実が見えるのです。

 

正直、250の速さと300のふるまいとの違いに少々混乱していました。多分、それは250に300を求めていた?

結果、何度もインプレを書き直し、補足してきました。

それくらいマシンの評価自体が難しく感じましたが同じ状況で乗って初めてそのキャラクター違いを目の当たりにし、それぞれをより鮮明に知ることができました。

単体で乗ると以前に乗った記憶からそれぞれを比較してしまいますが、同じ状況で比べて初めて比較する無意味さを知りました。

つまり、いくら外見は同じであっても300は300ですし、250は250だという事です。

そして、やはり共に昇華されたtmのレーシング・マシンであるという事実です。

 

結論

250だ、300だという選択も確かに重要ですが、もし、あなたが従来のtmというマシンを求めるならキャブレター搭載のtmを推奨する。

キャブの持つパンチとトルク感は従来のtmの正常進化を如実に表し、視野が狭まる豪快な加速はキャブレターならではの世界。

反面、シームレスでスムースな速さの燃料噴射tmは紛れもなく新時代のtm。

でも共にtm社のエンデューロ・マシンなのも紛れもない現実。

 

レースも出るが気軽に山を愉しみたい方はFiを。

バリバリのレース派、コース走行派はキャブレターっていう選択もある。

 幸いにも今はまだキャブでもFiでも好きにチョイスできるのですから。

そしてtmはtmなのです。