2020tm250 TSi EN

本来2日に入荷して3日に組み立て、試運転の予定でした。

しかし、雑誌取材の日程がかみ合わず3日の午後までにマシンを乗れる状態に仕上げが必須に。しかし、弊社に入荷したのが2日夕方5時。

更に、他にお待ちいただいている方もおいでになる。その予約順に車両検査もある!

 

しかし、なんだかんだと言って突貫工事にて夜11時には仕上げた。が、まったく試運転もなしで貸し出すわけにもいかず3日の午前中僅か15分ほど乗ってみました

そのあわただしい中僅か数キロで感じた印象は軽快、軽い。しかし、その反面落ち着きがない、路面情報に乏しい!またエンジンも、軽く回るが回りすぎる印象っていう、なんともtmとは思えないマシンに感じました。

あまり言いたくないが乗り易い。だから物足りない!

 

そう、エンジンに関してはキャブレター仕様にすれば!と、ちょっぴりがっかり。

ただ気持ちが焦っていたのも事実でしたが第一印象は珍しくあまり良くはありませんでした。

 

して、4日雑誌取材を終えてユックリじっくり改めて2020 tm250TSi ENと向き合ってみました。

 

いつもの新車のテスト・コースに。

サスのセッテングは全く出荷状態。

フォークの突き出しは1段目。ハンドルポジションは0。

 

して、いつもは新車の時はスロットル30%の開度でマシンと会話しながら走ろうとおもいましたが今回すでに雑誌テスターにてそれなりに走行距離も進んでいた。また、一時も早く本来の姿を知りたかったので都合50㎞、山の中を思う存分、自分が今走れる速度、全開でレース・チックに飛ばしてきました。

 

と、言いますか、実は試乗最中から愉しく成ってきた。軽さは思う様に走れる。また、低速でソフトなサスペンションは倒木を超えるとか、谷のセクションの掘れた場面を横切る、走破するっていう部分で安心感と自信を乗り手に与えくれます。

 

スムースで軽快なエンジンは思うままにトルクを立ち上げます。確かに低速域はキャブレターに比べるとパンチは少ない感じですが、不足はない。このスムースさは安心感につながる。この部分が乗り易いという評価となるのでしょう。

 

結論として先の心配はすべて杞憂に終わってホッとしています。

ただ、インプレッションとなると難しい。

このマシンの高度さを文章で、また言葉でどのように伝えたらよいのか?と、試乗を終えて今度はこっちの方に頭を抱えています。

 

tmが想い描き、そして造り上げる2ストローク250インジェクションを搭載するレーシング・エンデューロとは?

2020 tm250TSi ENは現在のtmの思う仕上がりになっている。と、存分に試乗した今感じています。してそれはマシンとして限りなく満点に近いと思う。

 

マシンとして語るならこのマシンとてつもなく軽い。

またパワフル&シルキーで際限なく回る感覚はまさしくtm racingの名に恥じない。

また、強靭なフレーム、しなやかで追従性の高いサスペンション。強力なブレーキ等、そう、改めて述べる事等ナンセンスなくらいレーシング・マシンとして最高峰なのは間違いない。そう、レーサーとして非の打ち所がない。

 

19モデルではキャブレター装備の2T250を試乗車としましたが軽さ、滑らかでトルキーながら軽快な小気味よさはまさに新時代の幕開け!って、思ってきました。売却してしまった今も少々後悔もあるくらい素晴らしいマシンでした。

余談

2020もキャブレター・ヴァージョンはあります。

 

しかし、インジェクションTSiは?

良い印象しかないキャブ式の滑らかさ、低速トルク、粘り、中速の豊かで伸びやかな感覚、圧倒的な高回転と無意識に比べていたのでしょう。また、近々は300TSiと。

 

つまり、250インジェクションは自分も初体験。

 ですからキャブと、また300と比較すること自体ナンセンス。

 

 

今回時間を掛けて対話しながら走って感じたのが「速いが故にもどかしい!」

上手く説明できるか?は、分かりませんが、実際にはとても速い。

でも、感覚的に速さを覚えない。あまりにも軽快に速度が乗る。だからトルクが足りなく感じる。アクセルを開けたくなる!って、言ういい方でしょうか?

つまり、キャブに対して開け始めのパンチがたりない。でも、きちんと立ち上げっている。

 

思えばキャブレター・ヴァージョンは混合燃料しかも3%混合。そうオイルの量が違う。

加えてTSiとキャブ仕様ではピストンも違えばクランク・ベアリングもそれぞれが専用品。つまり、クリアランスが違うわけで、回転フィールもトルク感も同じわけはありません。

 


また、キャブの場合、燃料の量はアクセル開度に応じてオイルと共に供給されます。

 

しかし、TSiは回転数、気温、水温、ギャー・ポジション、アクセル開度にて噴射量が細かく制御されます。また、オイルも燃料同様に吐出量をコントロールされている。つまり、必要以上に供給されない。

 この違いはフィーリングの違いにつながる。

 

それを理解してスロットルを操作すると!だからと言って特別な事はなにもありませんが。

イヤハヤ、速い。本当に速い。

インジェクションらしくいつでもどこでもスロットルに追従して速度を上げます。

そうキャブレター式と比較してしまうぐらい自然。

言い方を変えると乗り手の意思に自然だからつい比較してしまっていた。

さらに言い方を変えるとキャブレター式にそん色がない!

 

また、300TSiとトルク感は違うが基本同じフィールです。

つまり、低速はトルク・フルでスムースに。中速以降はパワーが引っ張る。

 

また、極低速でもスロットルに反応、追従します。つまり、トルクが薄いのでなくスムースだから無意識に高いギャーを。インジェクションの高効率故についてくるのでそのままアクセル開けてしまう。ただ、キャブレターほどガツンとは来ない。結果、チョイノリ程度ではそれが分からない。

 

実際、荒れた登りの再発進でも、登りでもトルクに不足も感じない、粘る。

これはシフトミスすると痛感します。一速間違えてもスルスルと立ち上がります。

で、中速以降の立ち上がりの速さに驚きます。

キャブは迫力を感じますが、インジェクションはスムース&ジェントル。勿論、全開加速の速さ、迫力はさすがは250。

 

 

それとカブリのない安心感はちょっと違和感?。勿論、良い意味ですが、これほどの高性能をオイルインジェクションで味わえるなんてすばらしい。

 

 

それとサスペンション

新車時いつもはダンパーを調整。ま、圧を少し弱めてです。

しかし、今回は全くストック状態のままで走りました。19から比べて新車から良く動きます。ソフトで乗り易いって言い方ができます。

 

しかし、反面、路面情報量が減少した。って、指摘もありました。

以前の様にまるで路面を自らの手で探っているような情報は薄らいできたのは私も感じました。

*注意

「路面情報量が減少」と言いましても従来のtmとの比較の話。従来からtmはこの部分が特に優れていました。

 

しかし、山の中を全開で10㎞ほど?走った後でしょうか。

印象が変わってきました。

先の路面情報量が足りないとか、心もとない?なって部分など全く頭から消え去っています。もう意識にも全くありません。

それどころか走破性の高さに舌を巻く!しかも荒れて轍が入り組んで固まった路面とか砕石ゴロゴロって言った路面での安心感、安定感は筆舌に尽くしがたい。しかもまったくの新車からです。

それは19(標準)では身構える場面もありましたが20では全くそれがなく、しかも軽快ながらピシッとした安心感はtm is tm。

 

また、大きめの砕石が多くある場面。

全く怖くない。マシンが跳ねない。

大げさながらなめるように走破する。従来型は固さというか弾かれる感覚を覚える場面もありました20はサスが見事に吸収しています。自然と何も考えずに突っ込んでしまいます。

 

して気が付くとまるで取りつかれた様に飛ばしている自分を発見してしまいました。そう、面白くて痛快でたまらない。

思えば路面状況が分からなければ速く等走れません。まして飛ばす気に等ならない。

そう、今の時期は落ち葉で覆われた路面です。目からの情報は限られます。

でも、あれた路面を飛ばすのは愉しくて面白くてたまらない!つまり、全く不安を感じない。

 

飛ばせば飛ばすほど痛快で愉しい。まさにtmの独壇場でしょう。

この痛快さ、愉しさが全くの標準仕様。まさしく何も足さず、何も引かず。

 

それと以前19のインプレで見えない石にヒットしてバランスを崩した。でも挙動のゆったりしたtmだから、事なきを得た。

云々と言うインプレをしたが、同じように見えない石、倒木にヒットしたとしてもそもそもバランスを崩さない。または崩す度合いが少ない。もしかしてヒットした事すら気が付かない?

いや、必要な情報と必要のない情報を選んでくれている。

 

本当に路面情報が最も必要な高速、まして荒れたハイ・スピードでの情報取集力、接地感、安定感、安心感は絶大です。

 

冒頭で述べたように低速域では良く動き、衝撃をかわし軽快に走破。

中速から高速域、まして荒れたハイ・スピード域の巌のような安定感、走破性を両立している事を特筆すべきでしょう!

言い方を変えるならハードエンデューロにも、従来の伝統のエンデューロGPにも対応できるサスと言ってよい。そういう意味ではより高みに至ったのです。

 

試乗終了時に藪漕ぎを行ってきたのですが、何も不安も不満も感じなくなっていました。

慣れたのか?当たりが出たのか?それともそもそもが勘違いだったか?

 

エンデューロ・マシンはライダーにとっての安全性には高速での安定感をより重視すべきです。

このtmの低速域の挙動、高速での挙動のバランスはとても高い。

 

何よりすべてが箱から出して組み立てただけでこれほどのマシンである事実です。

 

参考までに今日走った後のディスク・ローターです。

 


リヤはちょっと飛ばせば比較的簡単に色は変わりますが、フロントがこれほど変色するのは中々見ないと思います。画像では少々分かりにくいのですが紫色に変色しています。

これダート、山の中を飛ばしてこうなったのです。いかに高い高速性能を持っているか?挙動が安定しているかの参考になるでしょう。

自分でもびっくりですが!

それくらい2020 tm250TSi ENが速くて愉しいか?お分かりかと思います。

 

それとコーナー・ワーク

コーナリング・マシンと例えてよい。低速から中速は勿論、何より高速コーナーの愉しさは興奮するほどスリリングでありながら愉しい!

うねったコーナーではフレームのしっかり感の中でサスがきちんと仕事している感覚が体を駆けめぐる。それもまた小気味よいというか、気持ちが良い。

特に荒れてギャップのあるハイ・スピード・コーナーでの安定感、安心感に包まれたコーナリングはメチャ面白い。また、前後ドリフト状態の痛快なコーナリングは同じコーナーを何度か往復してしまうほどFun。

  

反省

あまりの愉しさに試乗と言う事を忘れて飛ばしすぎてドリフト状態でスリップダウン。チャンバーをつぶしてしましました!

試乗で転倒など「愚の骨頂」。

実に情けなく、恥ずかしい話ですが戒めの為の報告です。

 

言い訳 

実は今回、20数年間、「開かずの林道」だったところのゲートが開いていた。まずいとは知りながら侵入。何となく後ろめたさと面白さの狭間で転倒でした。ま、子供じゃないのですから子供じみた事はするな!って、こと。

 

余談

フォークの突き出しは2段目。伸び+1クリック。

リヤ・スプリング0.5回転締め。伸び+1~2クリック。

 

転倒前に以上にした方が?と、考えながら走っていて転倒したので。

ま、ほんの微調整ですが、これで、今一度試してみます。以外に正解なのですね。と自画自賛しています。

 

最後にブレーキ

20からフロント・ブレーキポンプはニッシンからブレンボに変更された。

 

 

このポンプのフル・ブレーキングのタッチ、中指一本自在にコントロールできる感覚は素晴らしい。

勿論、ニッシンに不満が有った訳ではありません。また、中指一本でコントロールできるのも同じと言えば同じですがその質が、感覚が大きく違う

そうブレンボのフィール、タッチ、コントロール感を知ってしまうとわざわざ報告したくなる。

以前のフローテング・ローターと比べて現在のtmのブレーキの効き味に少々不満というか、前のフローティングに未練を覚えていました。

それはあくまでもフローテング・ローターと今のシステムと比べての話ですが、今回ブレンボ・ポンプ採用は大満足です。ポンプでこれほど変わるのかとびっくり。

この装備は本当にうれしい。

性能の高さ+人間の感性に訴えかける「何か」はイタリア製以外には中々味わえません。特にハードブレーキング時に指に伝わる路面状況というか、自分が路面をつかんでいるというのか?この感覚は未体験かも?

これ、本当にすごいブレーキ・システムです。

 

tmは昔からブレーキ・システムをおごってきていますが、20のブレーキ・システムだけでtmの速さを証明しています。

今回何度も救われました。して、調子に乗ってしまいました。

 

シャーシ(フレーム+サス+ブレーキ)は常にエンジンより速く。

昔からよくできたマシンに使われる言葉ですが、前後ドリフト状態でうねったコーナーを通過する際とか、ハイ・スピードにていきなり下りの荒れた轍に入った時、三桁から一気にブレーキングを開始する等の挙動の安定感はtm最大の美点であり、特徴。

 

あとがき

お気づきだと思いますが、よりtmはレベルが、レーシング・マシンとして戦闘力が高まりました。

つまり、ジーパン、スニーカーでチョイノリ程度で走ってみてもtmの良さ、本質など見る、知る事は不可能。

でも乗り易いと表現できるほど軽快に走る。この乗り易いっていうのが曲者だった!

 

実際は実に奥深いマシンで同時にライダーのレベルが高ければ高いほど愉しいマシン。

そういう意味では何も変わっていないのがtm。更に中級から上級そしてプロも満足するマシンとして存在しています。

 

また、ライダーにとって最も大事な物を持っているマシンです。

それは挙動の安定感。

ライダーに対する安全性に直結する部分として挙動の安定感以上はありません。

だから、初心者でも乗れますし成長させてくれます。

 

ですから九州試乗会はじっくり、ゆったり乗っていただけるように人数を限らせていただきたく思います。ご理解の上、お早めにお申し込みください。

  

また、今年の大阪での試乗会にて試乗された国内有数であり有名なラリーストの方が試乗後インジェクション買いますって話をされた。して先日実際に予約をいただけましたが、さすがに分かる人はどんな場面でもマシンの素性を見抜きます。と、感じた試乗でもありました。

この250TSi の高い高速性はラリーにおいても高い戦闘力を持っています。

 

また良く聞かれるのがインジェクションか?キャブレターか?

今の自分ならインジェクションですが、レースに出るなら間違いなくキャブ。

ま、セルが付いているなら、tmなら何でもOK。

ただ、インジェクションは後々キャブレターに換装可能ですが、キャブレター仕様は後でインジェクション仕様にはできません。

 

補足

tm250TSiの始動性の良さにびっくり!

瞬間始動って感じてセルボタンに触れた瞬間に始動って言ってよいです。300もそうですが250TSiの始動の素早さは特筆できる。

 

tmに感謝です。