品質

90年代、世界のエンデューロ・マシンにこぞって採用されていたフォークはマルゾッキ・マグナム45という正立フォーク。それにRショックはオーリンス・シングル+リンクと言うのが当時のエンデューロ・マシンには定番と言うことは過去に何度もお話した。

 

しかし、その品質というか内容には大きな違いと言うか差があり、同じマルゾッキにもかかわらず構成部品の違いが有って驚いたものです。サスペンションと言う部位故にそこにはメーカーの良心と感じる物もありましたが、反対に手抜きともいえるコスト・ダウンの物から失望した機種もありました。

 

一体何が違ったのか?

インナー・チューブ、アウター・チューブの寸法。

ま、これは各社の設計の違いもあって指摘する部分ではないでしょうが、インナー・チューブのメッキに質に大きな違いがありました。

tmのそれはメッキに錆が浮くなどありませんでしたが、僅かな時間でメッキが錆びるフォーク。つまり、明確にメッキが薄いという品質が悪い物を装備していた機種もありました。

 

また、ダンピング調整の段数が少ない。

つまり、カートリッジの違い。これも完全なコスト・ダウン。

コスト・ダウンはメーカーとして当然ですが、このような差はユーザーにしてみたら寂しい。

 

またオイル・シールの違い。

まずtmのそれは厚さが11mmでしたが、他は8.5mm。他もその後11mmと変更されましたが、tmはその時点でシリコンと言った材質に変更。つまり、使用される部品に対して素材もサイズもtmと他では違っていました。と、言うよりtmの使用される品質が高かった。または進んでいた。高価な部品を使用していたともいえる。

余談

当時のマグナムは作動感、作動性、性能は素晴らしかったのですが、オイル・シールからの漏れが割と多いと言う部分がウィークポイントでした。

 

また、リヤのオーリンス・ショック。

一見してリザーバータンクの大きさが全く違うのです。そう、tmのオーリンスのそれがはるかに大きかった。

 

早い話、コストが掛かっているか、いないか?です。それは現在のKYBも同じですが。

以前、同じサスなのになぜtmは高い?って、よく言われました。が、一々説明しても良い話にはなりません。

分からない、知らない方から見たらカタログ上では同じマルゾッキ・マグナム45とオーリンスですから当然と言えば当然。

でも、実際はそれぞれの部品のグレードと共に品質が違うのですから価格は違うのが当たり前だった。

余談

だから他はファクトリーとかワークスといった一品があるわけです。

 

何故他社との違いが、分かったかって?

長くなりますので機会が有るときにでも述べましょう。

 

さて、なんでこんな話をするのか?

2T tmのインジェクションに様々なご意見、ご質問を頂いております。

最も多いのが。

“オイル・ポンプが心配なので混合燃料を使いたいが、使えますか?”

つまり、オイル・ポンプ・トラブルと言うか、他メーカーも同じオイル・ポンプを使用しているが大丈夫か?その車両メーカーのオイル・ポンプは壊れると聞く。

はたまた、転倒してもFiはエンジンが止まらないのでエアーがオイル・パイプに混入してエンジンが焼き付くと他で聞く。

 

と、言った内容です。

弊社もまだ確実なお答えができるほどテストをこなしておりません。また、他は別にしても一応本社に聞いてみましたが、その本社の回答は。

 

ファクトリー・ライダーおよびテスト・ライダーが1年以上の間、相当のマイレージをテストの為に費やしていますが日本の言うようなトラブルはtmでは起こっていない。

 

また、MIX燃料使用に関しては、その為の自動的にオイルを供給する装置を装備しています。尚、MIX燃料を使用するとインジェクターおよびエンジン潤滑に支障がでるので使用しないでください。

と、言った回答がやってきました。

 

ま、オイル・ポンプはこのような部位での使用に信頼性、性能で定評のある日本製。また、もし、オイル・ポンプにグレード言うか種類が有るならtmは間違いなく最高品質の物を使用しております。

但し、競技マシンであり泥や水そして砂の中で使用する機械ですから走行後のメンテナンスが、つまり乗り手のチェック&メンテナンスも大事でしょう。

 

Fiは転倒後もエンジンが回転している場合が多い為、オイルの偏りからエアーが混入する事は有りうるでしょう。しかし、オイルタンクの形状や位置はそれぞれ違い、それだけでも単純にすべてのマシンにはあてはまらない。

tmの場合、右のフレームがオイルタンク。しかも見た目にも細く、薄く、上下に長く、しかも斜めになっており転倒時のオイルの異動が少ない。ただの円筒容器でありません。

 

つまり、マシンが上下にひっくり返り、エンジンをかけたまま何分も放置でもしない限り。また、極端にオイルが少ない状態でなければ。エアー混入は気にする程ではないと考えます。まして走行前に常にオイルを満タンにしておけば更に心配は少ない。

また、多少の空気混入があったとしてもそれまできちんと供給されており、転倒後も供給されるなら心配ない。

 

なってもいない心配しても仕方ありません。まして如何なる物に絶対はありません。

ま、タラ、レバよりマシンに対する愛情が大事です。

 

余談

大きなキル・スイッチとか、スノー・モービルの様にライダーがマシンから離れたらエンジンが止まるスイッチも妙案かもしれません?

 

最後に「ホスピタル・グレード」ってご存知でしょうか。

その名の様に病院等医療現場に使用される機械に電源を供給する電源プラグ、コンセント等はホスピタル・グレードと言われる部品を使用します。(ほかの機械でもあるでしょうが)

それは命をつかさどる医療機器。その動作を確実にする電源供給の安定化。誤動作防止対策、強度も考えられた専用品を言います。

 

ホームセンターで売られている物にも通常使用に不足はないでしょう。また、トラブルなどあまりない商品ですが命に係わる医療機器用は万一も許されませんから一般的な物や民生用は使えない。と、言いますか使わない。

同じ電気を機器に供給する物ながらホスピタル・グレードは比べられない程はるかに頑丈、高度であり高性能。つまり高価。

余談

それゆえにオーディオを趣味にする方にも使用されます。しかもメーカーまでこだわっています。

 

絶対はありません。

が、トラブルの可能性を極力なくす為、tmの採用している部品、このように重大な部位の部品は同じ物、同じ使用目的の部品であっても性能も耐久性も最高峰の部品を昔から変わらずに、また先のサスペンション同様にコストを無視して使用しているのは事実です。

プロも使うレーシング・マシンですから。