2日の日曜日は一人で山に行ってきました。
今一、2T250ENの足回りがまだ納得できない!って、事からです。本来お客様を誘うべきですが走っては止まりを繰り返すのが申し訳ないので今回は一人で。
コースはいつものテストコースの愉しい部分だけ。だから距離そのものは出ません。
が、林道、作業道ながら周回もできて適度に荒れ走って愉しいコース。
ただ走るだけならそれほど難しくはないが上手く、速くとなると相当難しいコース。
つまり、ENテストにも使えるでしょう。
前回、ま~、いいかな?(自分なりに)仕上がりだったのですが、今一つ気に食わない。と、思いつつも実際コーナーが愉しくない。
ENマシンに完璧なセッテングなど不可能ながらやはり自分がメインで走る状況、自分の好みに、走り方には極力持っていきたい。
tmらしく小気味よく、気持ちよく走れない中、距離を重ねていくうちに草に隠れた砕石にフロントがヒットし、バランスを崩しかけた。その程度の事はtmがライダーを守ってくれますが、その挙動からフォークの入りが今一つでは?と、フォークがより入る方向とするにフォークの圧、Rショックの伸びをそれぞれ1クリック弱めた。
すると、まったく別のマシンになりました。
フロントがスムースに入りコーナーが気持ちよく決まる。また固い轍が入り組んだコーナーの走破性、安定感も向上。なによりコーナーがめちゃ愉しい!
余談
後はRショックのスプリングを標準より半回転から1回転程緩めれば好みになりそうです。
1クリックでこれほど変わるのですから積極的にダンパー調整しましょう。
是非、1クリックの違いを体感してください。
ですから新車からリバルビングなんてされる方、また、変更される方というかマシンをよく見かけますがtmに限ってそれはデチューンに等しく、下手したら壊すことと同じと認識されてほしい。
詳しく言うと。
tm標準装備のサスはそのまま世界戦を戦い優勝できるサスです。つまり、すでに高度なチューンをされ世界のトップライダーが使用できるサス故に我々一般人にはオーバー・クオリティー。言い方を変えますと「固い」と表現されます。
まず、そこを理解していただきたいのですが、その高い容量、性能を「固い」と、安易にシムを積み替えたり、変更したり、バルブをいじるのは無謀。それはtmにとってデチューンであり、その時点でtm本来の良さ、tmらしさを失いかねない。いや失います。
また、使用目的です。
tmはエンデューロGP(エンデューロ世界選手権)を標準仕様のまま戦い勝利できる稀有のマシン。低速から高速まで。特に安定性、安全性が必要になる高速域を重要視しています。
日本のレース、ライダーレベルは別にして最も大きな違いは走破速度。その違いは大きい。
じゃ、どうするんだよ?
サスが固いというのはサスに仕事をさせていない。って、ことで速い話、乗り手が仕事をさせていない乗り手の問題。極端に体重が軽いってことも要因の場合もありますが。
最も簡単な事はライダーのレベルを、走破速度が上がればよいのです。そうすればtmのサスの、マシン本来のすばらしさを認識できます。
実にシンプルな話です。
が、最もむずかしく、なにより時間がかかります。
もし、あなたがtmに入手されてサスが固いと感じるなら、一番先にすることはダンピング調整と新車状態を維持する整備。
そして体重に合わせたイニシャル調整、スプリング変更です。それとて完全に整備された状況を維持するのが前提です。
ちなみにtmはライダーの装備体重75㎏プラスマイナス10㎏くらいはそのままで問題なくセッテング可能です。
また、例えばtm装備のKYBのフォーク・フルードはKHL15-11。つまり、KYB純正。
それをKHL15-10に変更されるのも全体にソフトに。また、ダンピング調整がより細かく設定できるようになります。
もしくはあまり進めはしませんがアフターマーケットに沢山あるフルードに変更も一つ。
ただ、何がtmにとって良いのか分からない。

注意
tm指定KHL15-11の粘度係数は40℃にて16.3。KHL15-10は14.9。
ですからKHL15-10(ソフト)を試すのも一つ。
が、とあるフルードを試したら(確かにソフトに感じるが、接地感がなくなった。弱くなった。)などの弊害も実際にでた。また、ある国産フルードなど最初は良かったが10分を過ぎたあたりから腰砕けと言うか、へたった様になったものあります。
tmのように高度な現在のマシンが使用しているオイル、フルードもチューニング・パーツ。まして構成部品を社外部品には全く論外。
イヤイヤ、それじゃセッテングなどでない!
と、言われそうですがtmはレーサーであり、先にも言ったように世界のトップライダーが使えるマシンです。基本、我々一般人には合わせてはいません。
だからと言って安易にお店のいうチューンと言うデチューンに頼ってしまうとその多くのマシンはあなたを成長させてくれません。
ブレーキを掛けた瞬間、スパーっといきなり大きくノーズ・ダイブするようなサスなど危険極まり無い。ただソフト、動くっていう事に惑わされないでください。
なにより、上記の方法はいつでも元の状態にできる。戻せる最も手っ取り早い方法です。
また、例えデチューンだとしてシム組み換え等何をしてもよいのです。新車の、tmのセッテングに戻せる様にしてください。って、事です。
つまり、乗り手が成長されたら標準に簡単にできます。
画像はtmが我々に発表しているマルゾッキ・フォークのセッテング・データです。印刷に加えて手書きで補足しています。何度も繰り返していますがtmのサスはtmが独自にシム構成などをマシンに合わせております。(勿論、KYB、tmショックも同じ)

tmというマシンも知らず、乗ってもおらず、まして世界戦を戦った事もない。動くソフトを売りにしたセッテングと称する事のほとんどが「らしさ」「性能を壊す」。
何をされても自分のマシンですが「もとに戻せない」マシンにはしないでください。
他のマシンはどうであれtmに限って言うならサス・チューン、リバルビングを歌った時点マイナス。お金を払って壊すと同じ。
理由は大体エンデューロは長距離を戦うレース。その長い間安定した性能も大事でその長い間を経験していますか?って、話。最終的にはぺナぺナのサスは最後まで持たない。
余談
tmのライダーもサスをチューン、変更します。しかし、それは世界戦を戦えるレベルのライダーだから初めて好み、セッテングが生きてきます。
もし、サスを整備、チューンするならtmをよく知っている。あなたの要望に応えてくれるが、いつでも標準に戻せる事の出来るお店にお任せください。
余談
関東で高名なサスペンション屋のオーナーがtmを試乗後。
すごい!サスペンションは何も不満も無ければ何もすることがありません。と、はっきり言っていました。これ本当の話です。
tmショップの中、サスでも有名なジェリーズさんは。
貴方が速くなってきたら標準に戻しましょう。また、成長するためのセッテングをしましょう。と、明言しています。
15~20年前のtmでもいまだに中古車として高い人気のまま売買されています。
例え20年以上経過していても純正部品にて、エンデューロ・マシン、レースを知っている方に整備されていればtmの価値は古くとも、また流通価格も高い。
実際、乗っても時を超えてtmは素晴らしい!
でも、素性が分からない。社外部品満載、サス・チューンをされたと言う中でまともなtmは見た事はありません。
さて、そろそろ試乗車の二台、つまり4T250CC,2T250ENを青森から戻り、整備後に販売させていただきます。
興味のある方は各一台ですからお早めに!