定義

○○は××である。また、○○と言うのは▽□でなければならない等々を定義づける。と、一般的に言うのでしょう。

 

学生時代、ゼミの教授がスポーツ・カーの定義とは?と、言う話を始めた。

その答えは“運転を愉しむ、愉しめる車”というのがスポーツ・カーという定義を彼はしていたが、その答えは自分の中のスポーツ・カーの定義として定着している。

そう、パワーがあるとか、スピードが出る車だけがスポーツ・カーではないということですから、乗り手は速くはないが乗って、操縦して愉しいとか、ワインディングで汗をかくほど夢中になれる車なら形は関係ないでしょう。

でも、そうはいってもスタイルも大事、それに意味を持たせる方もいるでしょう。乗り味というかフィーリングも大事。パワーが命と言う方も言う方もいるでしょう。

 

実は19のtmに乗ってエンデューロ・マシンの新しい姿を見た。

と、言いますか、エンデューロ・マシンの定義の変化というか、マシンそのもの変化をtmによって感じているからです。

 

初めて本格的なエンデューロ・マシンを知り、乗ったのは1985年。

当時のヨーロピアン・エンデューロ・マシンは大柄な車体。頑丈なフレーム、長大でしなやかなサスペンション、低速トルクが強大で粘り強く、更に高速パワーも兼ね備えたマシンであると雑誌なども言っていました。実際、乗った感覚もそんな感じでした。

余談

当時、MXも乗ってはいましたが、一般市販トレール(MTX やDT200等)から乗り換えですから、それらと比べる方が思えば無茶苦茶な話でその安定感からくる走破性、速さは腕じゃなくマシンの差!と、思ったほどの違いでした。

 

当時のエンデューロ・マシンは未知のコースを走破するという意味を色濃く反映していたように思いますが以来環境問題からもエンデューロGP自体も変貌し、従来の走破性重視と言うよりテストでの速さを重要視したマシンと推移してきておりました。しかし、数年前からのハード・エンデューロの流行と言うか、エンデューロGPからの乖離というか、方向が少し変化というか、枝分かれと言いますか、とにかく従来とは競技自体に変化が出てきました。

 

それはマシンの開発にもおいてもはっきり証明されており、各社2Tにスターターが装備され、同時により小さく、コンパクト化が進んできました。更に極端に言うなら安定性より、操縦性を、高速性能より走破性にシフトされてきたと、言い換えてよいのかもしれません。

 

19tmはエンデューロ(EN)とクロス・カントリー(CC)というフレーム・足回りは共通ながら、4Tはエンジン自体を変更したモデルを。2Tはエンジン自体共通ながらキャブレターとインジェクションと言う2種類をラインアップしました。

当初、単純に混乱を避けるための便宜的な物ととらえておりました。また、将来的に新エンジン、インジェクションとなるまでの過渡期の需要に対応する為と、思っていましたが、4Tクロス・カントリーに触れ、乗ってみてENとの違いから、もしかしてもっと深い意味合いを持っているのでは?と、感じていました。

しかし、それは。

2TCCモデルは日本に入荷しておりませんので直接比較できません。ですから確実な事は言えませんが4TENとCCで乗り比べると、スムースなENに対してピックアップ、パワー共によりハード系コースによりマッチしているようにも思います。

が、良く観察すればよりオールマイティー感も感じます。確かにENはスムース、また別にパワーに不足も感じないがCCの方がどの状況でも走れる感覚を受けます。と、いうか、楽かな?

特に低速の粘り、パワーは砂地などの路面状況が悪い場合もどんどん進ませる頼もしさは絶品。

余談

2Tと違って4Tで19ではENは選ぶ方はいないでしょう。ただ、ENには300があります。そう選択幅ですね。

 

サスペンションは共通で共にセッテング次第でどちらのコース対応はできます。それはフレームの強さ、軽さ、バランスからセッテングに対して懐が深いというか、フレキシブルと言いますか。つまり、フレームにしてもサスにしても最高峰故にtmらしい鈍感な挙動、路面を手に取るがごとく伝わる感覚はそのままであり、これもENもCCも共通しています。

 

つまり、乱暴に言うなら別に定義など如何でもよい。

そう、乗って愉しければ。乗り手が満足すればそれでよい。それはスポーツ・カーも同じ。自分が満足していればよいので他人の価値感なんぞ、自分には何の価値も意味もない。人生は短く、すべて思うようにはなりません。せめて趣味、愉しみだけはできる範囲で楽しみたいものです。人生に定義を付ける人はいないでしょう。

 

余談

今回の与太話を描いている最中にCG誌が届いた。パラパラめくってみると偶然にもスポーツ・カー論と言う記事があり、その中にスポーツ・カーは主観的な乗り物とあった。

ま、そりゃそうでしょう。