tmのエレクトリックスターターは心配ありませんか?山でバッテリーが上がって困っています。新型エンジンというのも心配です。
と、の質問がやってきた。
バッテリーが上がるのはエレクトリックスターター(以下ES)の問題ではなく、バッテリーの容量。また、使い方もあるでしょう。
加えてエンストが多いなど、失礼ながら乗り手の技量、経験といいますか、それらも関係するでしょう。もしかして機械にも問題があるかもしれません。
気分を害されたらごめんなさい。
また、バッテリーが上がったとしてもエンデューロ・レーサーであれば通常はキック・アームも装備されていると思いますが・・・。すいません他車は知りませんので。
当然、tmには2Tも4TもESと共にキック・アームが必ず装備されています。
また。新型エンジンについてですがレーサーであるtmは毎年、変更されます。
確かに19モデルはそのほとんどが新設計と言えますがベースは従来エンジンからの発展型です。
また、ESに関しては4Tではtm250は2003年モデルからと、4T250の中で最も早く実装。さらに何度か紹介しましたが10年以上前から2Tカートエンジンでの装備実績を持ちます。
実際、19tmのES部分はtmカートエンジンによく似ています。それこそES装着に関しては経験も歴史もかなりの実績の証明でしょう。
じゃ何故tmはES装着に時間がかかったか?
ちょっと回り道になりますが、お読みください。
それは、tmがアルミ・フレームなる以前、MX世界戦が菅生で開催された時です。
その時のtmチームのマネージャーが言った事ですが。
“じきアルミ・フレームになるんだよ。実際、2秒は速くなるんだ。”
と、とても嬉しそうでした。して、それが実現したのはその時から3年かかりました。
ESも同じことなのです。
tmの正式社名はtm racing S.p.A.と言います。
つまり、社名でもお判りのようにレーシング、競技車両、エンジンを制作販売しています。
競技用ですから“速いマシン”が、当たり前であり、tmなりの解釈から“速いマシン、エンジン”を開発するのが会社の目的であり、目標です。
ですから、単純にESを装備しても速くなければ、ましてESを装備して遅くなっては意味がない。そう、昨年の同じモデルより速くなければtmにとって意味も価値もないのです。
簡単に言うなら例えば同じコース、ライダーにて走って速くなっていなければtmにとって販売する理由はないのです。それと、使用頻度を考えるなら耐久性も大事です。ですから、単純に装備すればよい。と、いう訳にもいきません。
余談
ES装備によってエンスト時のリカバリーは速くなるでしょう。
また、スタート&フィニッシュのレースであればトータルでは確かにESは速いかも。
ま、速い遅いよりはESは我々オジサンにはなによりありがたい装備?
実際、時代の要求からtmも2T250/300は18モデルよりESを装着する予定でした。
しかし、少なくともtmの考える水準に達しなかった。
それまでの2T250/300の出来が、速さが素晴らしかったから尚更でしょう。
兄貴の出来が良いと弟が苦労する?って、感じかもしれません。
で、tmらしく新型はより速い。を実現するにあたり。
ES装備からくる重量増を打ち消し、尚且つエンジン幅を狭めて新フレームに対応。
詳しくはES装備を装備するにあたりセオリーどうりクランク下部にESを設定。
勿論、重心位置の関係。
また、新クランク・ケースには新型ジェネレーター採用。それはタイトなエンジン幅を実現しフレームのコンパクト化に寄与します。
結果、軽量化にもつながります。
ESと共にコンパクトなフレームは現在のエキストリーム系競技にてより戦闘力を発揮。

モーターがご確認できると思います。
更に細部を少しご紹介します。
少しでも重心を下げるためにバッテリー・マウントはエアー・ボックス下部に設置。
加えてエアー・ボックスの容量を確保するに薄いレース用リチウム・バッテリーの採用。
更にエアー・クリーナー・エレメントも新タイプ。尚、2Tと4Tではバッテリーのタイプが異なります。

簡単に説明すると以上ですが、ESを装備して尚、レーサーとして進化して速く!が、tmの常識。
ES装備が遅かったtmですが、だからこそ“真打登場”と例えてよいほどの完成度と、ESによる手軽さ、レーサーとしてのパフォーマンスと愉しさを味わえるのです。
そんな速いマシンはいらない!
イエイエ、速い遅いより“愉しいマシン”が欲しいのです。そして、速いマシンこそ愉しく、面白く、痛快なのですから。
PS
そういえば4T CC250Fies、ツインエキゾースト仕様。
こちらも新エンジンではありますが、MXモデルは昨年から使用されております。19でクロスカントリー仕様としてファインチューンと熟成をしています。