今年に夏はTVからは連日今年の猛暑を聞かされました。
確かに北海道の我々からしたら38度など想像すらできない暑さでしょう。西日本ではまだまだ暑い日が続いておりお体ご自愛ください。
そう言えば東京在中のトシさんが言うには“暑すぎてクラッとくるよ”って電話が。それからから始まって“命の危険すら感じる”なんて言う方も。イヤハヤ、北海道在住でよかったと思うこの夏でした。
そう北海道は流石に暑いと言っても弊社のロケーションであれば30度程度。しかも連続する事もない。また、朝晩は気持ちが良い。を、越えて寒い位で道北などストーブ点火!なんて話も。
確かに“蒸し暑さ”を感じる日々もありましたがお盆休み中から今は何やら寒さを感じる今日この頃。
さて混合燃料の話。
tm2Tのメーカー指定混合比は32:1。
他と比べるからでしょうか、今までの、もしくは他車が50:1だからtmも50:1で使用していると言われる方も多い。
でもそれは非常に危険という認識を持ってください。
実は使用オイルの推奨品はあるが化学合成オイルであれば特に指定はしていない。但し、混合比は32:1を推奨しています。
が、基本ユーザーさんの自己責任対応というか、使用方法までは把握していない。
tmの場合の混合比は単純に“パワーが”と、考えてほしい。
言い方を変えるなら指定混合比が濃いのは“パワーがある”“回わる”という事で、だから濃い混合比であり、混合気。
まして、レーシング走行できるような方は指定混合比が必須。
確かに自己責任は自己責任ですが混合比率を指定するにはそれなりの理由がある。て、いうか?何故メーカーの決めた事に疑問を持つのか不思議。まして自分の知識で混合比率を変更して大丈夫と言うのは違うでしょう。
でも今の時代何故?
と、言われそうですが何度も繰り返すがtmは市販状態のままトップライダーが操縦し、世界戦を戦う事を前提に作られています。
つまり、レーンング走行、ピークパワーを維持するような走りにも耐えうる構造であり、材質だという事です。
して、レーサーとして、tmの思う耐久性をギャランティーするべく混合比を指定しています。
勿論、回転数、クリアランス等によっても違ってきますがtmの基本はそこからです。
世界のトップライダーの速度、使用回転、そしてISDEに代表される6日間2000㎞を走り切る、勝利するというベースがそこにあります。
じゃ、具体的には?
弊社が現実に使用する場合を紹介しようと思います。
実際、新車のシェイクダウンなどは35:1から40:1程度で適当と言うなら適当。最もそれは最初の1タンク位です。
理由は単純に回さないから。
スロットル開度でいうなら最大でも20%~30%程度。それでもオーバーランするほどの速度になりますし、オフロード走行の愉しみを存分に味わえ、同時にマシンと対話も出来る。
そう、通常の林道走行ならこのスロットル開度で十分愉しい。
新車ですからマシンの状態、昨年からの変化を感じながら、対話しながら走りますから全開はない。
余談
それとエンデューロ・マシンである以上、また、一般使用というかツーリングなどでは毎回必ずしも指定混合比の燃料を補給できるとは限らない。って、いうのもある。
勿論、本気で走ったとしても別に問題は出ません。この程度の混合比の違いで短時間なら全開も問題はないのは経験から判っています。
が、試乗会、レース時は指定混合比。
また、シェイクダウンが終了したあとは山で遊ぶだけでも指定混合比です。例えサイレンサーからオイルが垂れようとも指定混合比です。
50:1でも構いません。貴方のバイクですから。
また、すぐに壊れる事もないでしょう。ただ確実に言えるのは寿命は短くなります。そう、すぐには結論が出ない事を大丈夫とは言えません。
ただ、自分しか乗らない場合はそれでも良いでしょう。
但し、人に貸すと万一が起こります。
実際、人に貸した、他人が乗ったとたん焼き付いた。は、過去には何度か目にしています。
オイル分が少ないと各部が摩耗しますがピックアップが良くなると言います。
さらにヘッド内部が綺麗と、いいますが付着しているカーボンはこびり付きがひどく掃除に時間が掛かります。
オイル分が濃いとトルク感が出ます。各部の寿命がメーカーの考える正規の状態になります。また、オイルで汚いと言いますが分解時はヘッドやピストンヘッドも拭くだけで綺麗に取れます。そうカーボンがこびり付く度合いが少なく感じます。
そう、デメリットは多少汚いかも?また、オイル代金が多少余分になる程度でしょう。
でも、何より安心感が違います。
最後にオイルメーカーの推奨混合比より車両メーカーの指定混合比でご使用ください。
それとオイルのグレードも同じ。
それが何より貴方の為でしょう。
余談
数年前、新車のシェイクダウンだから良いか?と、“レーシング・カート用植物油”が、沢山あったので30:1で使用してみた。最初は軽快に回ってよい感じに思えたが、5分ほどしたらオーバーヒートの様にパワーを失ってエンジンストール。
初めての山、それも一人でしたからヤバっ状態でしたが、エンジンが冷えるのを待って再始動したら無事にエンジンは息を吹き返した。
振動も、異音も感じないのでそのまま走行を継続(戻る方向に)。
とりあえず50㎞走行して終了した。
ま、焼き付きていたらいたで仕方がない。また、壊れても輸入元の仕事と考えています。
もどってエンジンを開けてみたら幸いにもシリンダーは無傷。ピストンも特に異常は感じないがプラグは真っ白。ヘッドもオイル分が少ない。止まったのは多分リングが一端ステックしたのでしょうとピストンとリング交換。(最もセットです)
その後、オイル、混合比を推奨品に変えたんは言うまでもない。
多分、原因は植物油故に30:1では薄すぎたのでしょう。また、オイルメーカーも20:1使用を推奨していた。つまり、ヒューマンミス。
また、30年近く前ですが、ある新製品オイルのテスト依頼がきた。
使用マシンはtmではありません。
午前中はいつものオイル40:1。午後にそのオイルに変更(安全を考えて35:1)同じコースを走行開始から3㎞で焼き付き発生。勿論、全開走行などしていない。
フィーリングはとても軽快に回ってまるでオイルがない感じでキャブレーションが変わった位に感じた。
正直、オイルの問題なのか?マシンの問題なのか?それとも乗り手の問題なのか?は。はっきり言えない。
でも、間違いなく言えるのはオイル以外同じとは言っても薄いと思った時点でプラグの焼けをチェックしてジェットを変更するか、乗り方を変えれば大丈夫だったとは思う。
混合燃料である以上焼き付きは乗り手次第です。