帰国後、先の日本に輸入されていないヨーロピアン450インジェクション・マシンが韓国で販売されている!(2002年当時)
また、他の参加マシンの日本と同等でヨーロピアン・エンデューロ、日本車である。新しさもそうだが参加台数の多さから韓国でもtmは売れるかも?って、思い始めた。
して、その年の8月、北海道庁がらみの仕事で香港に出かける事になった。良いチャンスと香港の仕事を終えてから韓国を訪ねてみることにした。
目的は勿論、市場調査。
して、インチョン空港から市内に向かうバスの車窓から、なんと先の最新鋭ヨーロッパ製450インジェクション・マシンを展示しているお店を発見!
幸先のよさになんとなく少々うれしくなります。
翌日は事前に雇っておいた通訳さんとtmのカタログを手にソウルのバイク街(テゲロと言います)を一軒一軒訪ねて韓国のバイクビジネスの実態というか、日本との違いを調べていきます。
テゲロからは外れていましたが先のヨーロピアン450インジェクション・マシンを展示していたお店にも出かけた。
すると、アジアに参加していた韓国人ライダーの一人が店のオーナーであった。
彼も覚えていてくれたようで話はスムースに始まったが、オフ系のショップかと思ったが中にはスクーターと韓国カブしかない。
して、ちょっと驚いたのはまるでタイムスリップしたように“土間”の床に部品が並んでいた。一国の首都にあるお店ですからね。そりゃ、驚きますよ。
それはさて置き、一体何台そのマシンは韓国に入っているのか?と、訊くと個人輸入で10台との事。つまり、輸入代理店ないのでその時点で壊れて動かない、直せないとの事。
余談
基本、人様の物という感覚は希薄というか無い感じ。また、例え友人、知り合いが代理権を持っている商品でも少しでも安く、楽にと並行など当たり前。また、商売など友人、知人、同郷人が始めたとしても安くなければ利用しない。また、”買います、買います”と食事をおごらせようと狙ってくる輩もいる。ですから意外と正規代理店とか、進出企業が意外に少ない。
余談ついで
着いた初日に通訳が連れて行ってくれた初めての“デジ・カルビ”想像を超えた美味さでした。今でも食べ物は出かけたアジアの国々の中では韓国が最も合う感じで旨い。台湾も旨いけどね!
翌日もお店を巡ったが、同じような答えなので午前中に切り上げた。
見知らぬ慣れない土地を緊張しながら暑い中歩き回ったので疲れ切った。して翌日は帰国と、いう事でその後はマッサージ(プハン治療)に出かけた。
tmの反応というか、手答えは?
有った様で、無かった?のか、正直判らない。と、いうか判断できないままでしたが、確実に言えるのは“儲けよう”と言う意識が半端でない事。その為にはモラル、責任、リスクどころか犯罪にもいとわない勢いに少々困惑した。
そう取り扱い機種などどうでもよい感じで“いくら儲かる”が最大の関心ごと。
ですから、この部分をくすぐればよいのかな?と、感じた。して、後日それは確信に変わりました。
余談
進出後に判ったが、排気ガス検査の不正で留置されている。とか、姦通罪で捕まっている。とか脱税がばれて逃げている!なんて話は日常というか、昨日まで一緒に飯食っていた人が犯罪者で捕まった!KMF会長(日本のMFJにあたる)が自動車税未納の為にナンバープレートを役所に持っていかれた!っと、いう事が当たり前状態です。
またソウル市内を歩いているとよくケンカに出くわします。特に公園などでは口喧嘩は当たり前で女性(オバハン)同士の殴り合いもあったし、男性が女性をグーでパンチ!を目撃しました。
日本では考えられないがあの国では日常。
しかも、我々にも脱税の方法とか、排気ガス検査の不正の方法とか頼みもしないのに指南すると言ってやってきました。
余談
歴代大統領が逮捕される国ですから。
2002年はそれで何事もなく終了しましたが翌2003年はtm & VOR共々販売が好調で忙しかった為に“アジア・インターナショナル・エンデューロ出場”は少し悩んだが参加するなら最初からバイクはtm80ピッコロと決めていた。
VOR450にも魅力を感じたがこのクラスはライバルが多い。やはり昨年の雪辱を晴らすためにクラス優勝を狙える2T125㏄以下を狙う事にした。
灼熱のハイスピード1000㎞ですがtmなら80だって標準仕様で全く問題などない。ただ、レギュレーションに沿った走行距離を稼ぐにタンクを増設。
また、長距離、高速耐久性を狙って520チェーンに仕様変更と共にファイナルを最高速110㎞確保する改造を行っただけの他はストック状態。
余談
それでも19&16インチホィールのミニモトながら100㎞オーバー状態でも全く平気なのは流石にtm。しかも難易度の高い上り下り、砂利(ガレ)なども軽さと80とは思えない粘りとトルクでずいぶん助けられました。
2003年はタイの中で最も暑いと言われる“カンチャナブリ”での開催。
そのスタート地のホテルは各部屋が独立したコテージスタイル。その部屋に向かう時、アジア人に呼び止められて一緒に晩飯でも。と、誘われた。
余談
韓国では“シプサ・モゴッタ?”と、知り合いに会うと必ずと言ってよい程聞かれる言葉。
意味は“ご飯食べた?”
また、全く知らない人からもなぜか食事に招待がある。驚きますが突然電話がかかってくる。どこで調べたのか?など全く判りませんが。
それを親切と勘違いして真に受けてご馳走してもらうのが何回か続くといつの間にか“子分状態”にさせられる。
彼らは外国人(特に日本人)の知り合いを持つのがステイタスになる。その外国人がお金持ち、有名人なら尚更。上げ膳、据え膳の接待をただの親切と受けたら後々大変。そうタダより高い物はないのです。
それと握手。
此方から手を出す。相手の手を両手でくるむように握手する。と、言うのはあの国ではタブー。格下と見るのでしょう、その後の扱いが変わります。