99tm250再生のお話

18の新車はまだやってきませんし、外は雪なのでバイクに乗れないし特に話題もない。
と、いう事で中古車の再生記なんぞを一つ。

画像は数年前に再生販売した99年型tm250。
転倒しスロットル全開状態、しかも薄めセッテングと、言うのもあってエンジンブローに至った。で再び戻ってきた個体の整備途中の光景。


当初エンジンブロー、しかも焼き付きに加えてコンロッドが折れ、その為にクランクケースが割れてギャーオイルが流れ出ている。
と、そんな話でした。


つまり、相当な大事であって年式から考えても多分修理しないな~。と思っていた。

加えて仮にこちらに入庫したとしても流石に19年という年月を考えると再生する事は考えていませんでした。
してやはり、ブローしたエンジンを確認するとキックが下りない。ましてピストンなど動く気配もない。つまり、相当ひどい焼き付きと思えた。が、外からではケース破損は見当たらない?
そこで研究の為というか、原因追及、興味本位から何気にブローしたというエンジンを分解してみると“それ程大事では無い損傷”である事が判った。
おまけに弊社在庫部品ですべて対応可能である事も。

つまり、なんとラッキーな事でしょう。と、いうか不幸というか!?

 

と、なると99tm250はtm史上間違いなく名機と言える年式の一台である。実際、マシンとしての素性の確かさは世界チャンプのお墨付き。
エンジンにそれほどお金が掛からないとなると気分は直す方向になってきました。

後は交換となれば高額になるチャンバーとかラジエターなどに問題はないか確認すると?
幸いにもチャンバーには致命的に大きな凹みがない。まして狂いもないので修正でOK。
サイレンサーはロックウールを交換すれば機能は回復する。


ラジエターも当然多少フィンにつぶれはあるが変形や狂いはない。早い話、交換の必要は認められない。そう、消耗品のラジエターキャップ、ホース交換でOK。

ま、コレクションコンデションを目指す訳ではありません。やはり走行可能な状態をめざしtmを、レーサーを愉しめるようにしましょ。
余談
現在レーサーを忘れたエンデューロマシンが多い中、当時として最高峰のエンデューロマシンである。もしかしてプレミアムが付くかもしれませんね。

 

とりあえず損傷、摩耗から交換の必要を認めたピストン、クラッチケース、パワーバルブ、ウォーターポンプを新品(OH)とし、各部の錆びや汚れを清掃し、またきっちりスキッシュ、点火タイミングを合わせ入念に組み込むがそれでもエンジンは分解から1日ほどで組み上がった。
クランクまでは分解していないが点検する限り異常は感じられない。もし、始動後に問題があれば手間は別にして修理すれば良いから大きな問題ではない。

 

問題は車体である。
エンジンブローから1年以上放置されていますから各部のサビ、ヤレ、色あせがひどい。
正直、販売するにしても年式から上限は当然でるでしょう。

ですから手を出しても部品代に工賃を合計すると最終的には赤字を出すのはいつもの事なので判っていますが・・・エンジンをくみ上げた以上はと、思いながらも画像のようにフレームを裸にしてみました。

 

すると幸いにも塗装くすみ、傷は年式相応だがフレームに大きな凹みも曲がりもない。
フォークもオイル漏れもないが点検、ただフルード交換は必須でしょう。
Rオーリンスは見た目だけでバンプラバーが“さよなら状態”でしたのでOHは必須。
すると当然ステアリングヘッドやリンクも販売する以上は点検、交換、整備そして注油は発生する。

 

クラッチ、ブレーキも油圧関係はOHすれば大丈夫。
後、チェーン、スプロケット等、更に錆の酷いボルト、ナット関係もそうだがステップも最新鋭の年式に交換予定。

 

また、電装である。
エンジンを始動しない事には何とも言えないが以前の販売時にメインハーネス、コントロールスイッチ等を交換、整備を行っていますから大事にはならないと想像できる。

と、車体周りも普通の中古車の整備と変わらない整備で済みそうなので再生することにした。

 

最大の問題は外装をどうするか?
今はまだとりあえず走行部分だけは完全にしましょうと作業しています。タブン外装も交換するとは思いますが最終的な目標販売価格として300,000円以内で済ましたいのですが、正直その価格だとしても赤字でしょう。利益はなくとも原価くらいは確保したのですがそのあたりがジレンマですね。
中古車再生は予算を決めると中々、思うようにできませんから必要な手当てを自分がのる事を考える事にしして再生することにした。(作業中の現時点で!)
 と、なるとリム交換も必要に感じるが金額的には厳しいから性能的に関係のない色違い中古になる場合もあります。また、メーターはICOが装備されていますが、機能の部分も含めて手出しはしない方がいいかな~。

 

年式的に価値があるか無いか?
は、別にしてしつこいようだが初代tmペリメーター、新形エンジンを搭載した99tm250は間違いなくtm史上に残る名機。
余談
この99年型以外の前後数年の250エンジンはとてもパワーがあったのですがパワフルすぎて一般の方には中々難しいマシンでした。しかし、99tm250は登りでもフロントを上げずに加速できるが、一方で下り坂でもフロントを持ち上げる自在で強大なトラクションに舌を巻くほどトルクでした。
しかも粘りも強い。
余談
当時、新車の試乗中(上り坂の加速中)にノンシールですが強大なパワーに負けてチェーンが切れた事は鮮明に覚えています。


しかし、何より乗り手の意思に忠実なフィールは絶品でした。
正直、特に後の2000年以降のエンジンとはまるで別でした。

加えてヨーロピアン・エンデューロ・マシンらしくセンタースタンドに支えられた少々大柄な初代ペリメーターにマルゾッキマグナム50とオーリンスの組み合わせの車体もまた再生する気にさせるほど味わいが深い乗り味が素晴らしい。
この2000年以後のtm250で99を超える事が出来たのは2005年からだと自分は思う。でもエンジンは99の方が良いかもしれません。

但し、やはりマシン全体となると最新鋭もしくは新しいモデルに分があるのは当たり前です。

正直、96と99年は持っていたい気持ちはありますが乗る時間は作れそうにもありません。

と、いう事で99tm250の中古車の紹介です。流石にもう二度と出てこないでしょう。
そう、一台限りです。
お正月の縁起物で販売するかも?でも大事にされる方にお願いしたいと思います。