試乗記

2018 tm125 Enduro

試乗記の前に最近多くやってくるのが“2T にはセルはつかないの?”と、言う質問。
そのご質問に対してお答えいたします。

tmでは2Tモデルに対しては18モデルでの採用はありません。

 

例えばtmをよく観察、もしくは他のエンデューロバイクと見比べてみても明白なようにボルト一本に渡ってtmは徹底的な軽量化がされています。

勿論、ボルトだけに限りませんがこれほど軽量化にこだわったマシンは市販モデルとしてあまり類を見ません。まして、どなたでも購入できるマシンとしてなら唯一のマシンかもしれません。

 

さて、18モデルは新フレームとなりました。
そのアルミフレームの強度と言いますか剛性を、バランスを更に向上させながら軽量化を達成しました。
先のボルトも含め如何に軽量化に取り組んでいるかご理解できるかと思います。でもそれはtmにとっての軽量化は当たり前。何故なら競技車両でありその最高峰を目指しています。

 

さて、モーターサイクルの構成部位の中でエンジンが最も重量があります。4Tであればエンジン重量に対してのスターターモーター(以下ES)の重量は2Tに比較して大きくはありません。しかし、エンジン重量の軽い2Tに対してESの位置によってその重さは重心位置やマス集中に関与しますからハンドリング、操縦安定性に大きく影響があります。

tm Racing社はその名のように“レーシング” “競技用”のエンジン、モーターサイクルを製造しております。
フレームは勿論ボルト一本にまで軽量化を考えて製作した2Tマシンに対してESという重量物を搭載した場合、tm社の望む操縦性、パフォーマンスがスポイルされるなら納得できるまで採用出来ない、しないのが最大の理由。

 

そう、2T+ESという装備によってライダーが受けるメリットより、tmは2Tレーシングマシンの本質を高める事、今できる事を選んだのです。

 

余談です
今年のHTDEでの現実に見た話です。
橋の上で川を渡るライダーたちを見ていました。十数台通過後でしょうか、一人のライダーがコースを歩いてきました。
如何したの?と、声をかけた所“バッテリーが上がってエンジンがかからないのでリタイヤします”というのです。
キックが装備されていない。場合もあるでしょうがキックで始動された事が無いからキックできない場合もあります。便利になったが故の現在の状況と言えるでしょう。

 

確かにESは足場の悪い所での再始動なども大きなメリットです。
でも、エンデューロ、オフロード走行には様々な状況が次から次に起こります。

何度もエンストを繰り返しバッテリー上がり、もしくはESの破損などから機能しないのであれば”唯の重り”になります。

つまり、ES+KICK装備が理想ですが何よりキックでエンジン始動できる方でなければ意味はない。反面、キックで始動出来ればキックだけで冒険もすべてOK。何より軽くシンプル。

 

さて、最後にtmの名誉にも関わりますので先にお断りますが、ESを装備するのはtmにとって実は簡単なのです。
それどころかtmの2Tカート用エンジンには何年も前からESが装備されています。つまり、すでに2T+ESには何処より実績があるのです。
また、2003年モデル当時4T250のエンデューロマシンにESを装備したのは市販エンデューロマシンでtmが一番早かったのは現実の話。


以上でtmは2TにESを装備できないのではなく装備していない事がお判りだと思います。

ですから将来ESを装備されるかもしれないtm2Tマシンが出来たとしたら今のESが無いマシン並みの軽快でtmらしい操縦安定性を確保されているのは想像に難くありません。

 

でも考え方を変えてみてください。
ESが無いというのは“tmはとてもシンプルで軽いマシン”のまま。と、いう事になります。して、レーサーっていうのは本来そう言う物でしょう。
つまり、ESが無いが故のレーサーとしての2018tm2Tの高い価値を享受できるのです。

 

最後に確かに私自身2T +ESは喉から手が出るくらいほしい!
でも、2018tm125の走りを知ってしまうと、いいや無くとも!
いや、ESが付いてもしこのフィールが、面白さが、軽快感が少しでもスポイルされるなら、ESはいりません。と、試乗して感じたのもまた事実です。

 

さて本来の試乗記です。

ファーストコンタクトとなるエンジン始動。
2018tmはキックを踏み下ろすという作業にてその実力、変貌を暗黙の中にライダーに知らせてくれました。
それは明らかに従来125とは違う重さというか、反発というか力強さと共に精緻さも感じさせたからです。

して、始動の瞬間である。例によって始動性の確実さは特筆すべきすばらしさ!ですが。
あれっ144か?
と、勘違いするほど、いやもしかしたらそれ以上に感じるほどの“野太い”と表現できる程低く、迫力を感じる排気音がこだましました。
この走り出すまでにも“只者ではない”感にあふれるtm125に期待が膨らみます。

 

さて、今年の125はフォークのフリクションを減らした。

エンジンパワーを上げた。

フレームをモデファイして高い剛性のまま軽量化を果たした。
と、いうのでそこを中心に述べてみますが、実は今週の8日の日曜日のまったく同じコースを17のtm144にて走りました。


それは基本125と144はエンジン以外同じ、そのエンジンとてベースは125です。まして車体重量は全く同じですから、その変化を確認したくの思いからです。

 

先にお断りますがこの17tm144も試乗車であり手入れは行き届いています。また、走行距離も500㎞程でしょうからヘタリを感じません。

シャキッとした車体と動きは新車そのままと言って良い。
なによりtmは例え数年使用したとしても他のダートバイクのように重く感じる事はあまりありません。

でも、18tm125の軽さにはいくら新車でも目を剥きました。


軽いマシンに慣れている自分ですら驚くほど軽く感じます。

その軽さは走り出しても全く同じで軽快に難所を走破し、意のままのラインでコーナーをこなすことに貢献しています。
ただ、セッテング(フォークの突き出し)をいつより少なく組み込んだために少々アンダーステアーを感じましたので途中突き出し変更。同時にフォークの圧側ダンパー2クリック弱めました。

すると更にコーナーが愉しくなりました。


あたりが出たKYBの舐めるような追従性はまだ感じませんが新車という部分でいうなら確かにフォークのフリクションは従来よりも感じません。
実にスムースです。


このtmのKYBの動き始めからダンパー感を感じるって本当にいいですね。とても上質と言える。
ちなみに試乗コースは一般的な砂利道から粘土質、赤土といった部分。ただ、季節ガラ落ち葉も多く、前日までの雨の影響で滑りやすい。

 

さてエンジンです。
144から乗り換えですがそれでもトルクの増強は顕著に確認できた。
と、いいますか粘りが一段と強いのです。単純に125という小さな排気量であっても一速高めのギャーを選びながら愉しくスポーツライディングを味わえる。

が、今年の北海道の寒さは尋常ではなく試乗車で初めて“薄い”と感じて188から192とメインを上げて走る。するとちょっと“濃いかな?”と、思わなくもないので思案中。ま、15日は集中して125に乗りますので元に戻るかもしれません。

 

にしてもフラットなパワーは愉しめる元です。
また、回転にフリクションを感じない為に125というか小排気量ではお約束の回転が上がるのを“待つ”感覚が全くない。例えコーナー進入でシフトミスをしたとしてもスルスルと立ち上がる様はもはや軽さ以外125という小排気量であることを忘れます。
と、いうか“トルクの太さ”に“頼もしさ”すら感じるでしょう。

 

車体の軽さも貢献しているが、それにしても排気量に関係なくtm125という名のエンデューロマシンとして確固たる地位を感じます。

2102モデルで初採用されたTMEES(tm電子制御パワーバルブ)は熟成されきった。と断言できる完成度を実現し125に対して力感という形容詞が使えるほどです。


tmは高回転が、パワーが従来からのよく言われる特徴ですが、2012以降フラットなトルクカーブ+tmのパワーは山を存分に愉しめ、tmミュージックがその愉しさに華を飾る。

 

冒頭で述べたようにtm125の軽さいうか、完成度の高さは非の打ちどころがありません。
是非、お乗りください。

2018 tm250Fies

 

15年前から4TにはESは最初から勿論装備されています。(ESが無いモデルもあります)

何時もテストで使用する場所は山の愉しさを教えてくれた林道です。それに+作業道が40年の時を経て何も変わらないままで今尚存在しています。


その道をFiにて駆け抜けていると“夢の中にいるような錯覚”を覚えた。これ本当にそう思ったのです。
そう、それは、それは至福といる快感以外何物でもなく、現実なのか?夢なのか?の区別すらわからない程気持ちが良かった。(ちょっと熱があったかも?)
いかなる理屈も理由もいらない。


ただ、tmだから味わえる事だけは良く判る。いやそれすらどうでもよいと思う程愉しいのだ、とにかく愉しくて夢中にさせてくれました。

パワーも十分以上。それどころか林道なら5と6速だけで大丈夫なほどパワーというかトルクがある。完全に250の枠を越えたパワーを味わえた。


とにかく、何から何まで不足、不満が全くない。
ですから余計面白い!

ブレーキをかけ出口を見てスロットルを捻る。するとマシンはわずかなテールスライドにてきれいにリヤタイヤが軌跡を描きながら小気味よく立ちあがる。
次のコーナーには真ん中に倒木が斜めに横たわっていた。瞬時にラインを変えて直角になるように倒木を超え再びスロットルを開ける。


様々なRのコーナー、路面状況が変化する荒れた作業道を思い切り愉しんでいると今度は目の前にかなりの斜度の作業道が現れた。

ブル道だから荒れてラッツも入り組んでいるし水たまりが全体の5割を超える。

寒いし汚れるのも嫌なので水の中は絶対入りたくないと、2速を選びラインを決めてスロットルを開けながらこの難所に挑む。


確かなトラクションはマシンをいとも簡単にその荒れた急坂をクリア。そう、何もかも、どんな場所でも思い描くように走破してくれる。

こんな痛快で小気味よい走りができるなんてこれは夢か?
まるで思い描く人生を映画の主人公になったように、まるで神仏が導いてくれるようにラインをトレースしてくれたのがtm250Fies。

1年ぶりのtm250Fies
125と共に100%生産状態のまま乗ってみた。
もう驚いたという言葉もそうだが、この18tmを形容する言葉が見つからない。

凄いとか速いとか、いかなる言葉もtmを前にはチープに聞こえるだろう。


2Tも4Tも目指すは“乗り手の意のまま”を実現させるための確実な操縦安定性、強力なブレーキ、強靭な足回り、それをまとめ上げる新アルミフレーム。そして低速から高速まで排気量をしのぐ力感を生み出すエンジン。


それらが高い次元で共に昇華する事で生み出される比類なき安全性はtmの独壇場。

例えばまだ人間も含め慣らしの中、決して全開どころか50%程もスロットルは開かない。それでも時にはオーバーランするほどの速さを生み出すトラクション。
また、やばい、落ちる!と、思っても最後までコントロールが効くブレーキ。それを支えるサス&フレーム。


余談
だからtmでは今まで20数年、オーバーランで路肩等に落ちた事はない。

何度も言います18tmは“ライダーの意のまま”を追及したマシンでしょう。思い返すなら125もそうでしたがtm250Fiesの乗ってみてよりそれが確認できました。


流石にチャンプのマシン!
ですから排気量が小さいとしても物足りなさを感じない。もし、トルクやパワー不足を感じたならとても“ライダーの意のまま”と形容は出来ません。

まとめ
125もtm250Fiesも現状ではファイナルが世界選手権専用の為に低いので林道や山遊びなら少しロングにされたほうが良い。


そこで、早期予約者にはファイナル変更をサービスにてお受けする。
例えばtm250Fiesであれば標準13T:52Tですが、13T:48Tくらいがちょうどよい感じ。

 

再度に、125と250Fiこの二機種は二機種とも所有できるなら最高の幸せですね。体は一つだけど。

 

最後に125も250Fiesに限らずtmは何方でも乗り易いマシンと感じる訳ではありません。

しかし、ライダーを育て、比類なき安全性にてライダーを守り、だからライダーを愉しませてくれるマシンとしてtmはその筆頭。

tmは世界選手権をそのままの状態で優勝できるポテンシャルを標準装備しております。つまり、世界のトップライダー、プロライダーを標準としており、彼らに不足ない性能、信頼性、耐久性をtmは実現しています。

 

お知らせ
22日はご希望があれば試乗OKです。
近くであればバイクをお持ちしても構いませんのでお気軽にお知らせください。勿論、ご来社頂ければいつでもOK。

*画像はtm250Fiesだけです。125は後日アップします。