フォークのお話

レース前ならではのセッテングの問い合わせ、部品ご注文にうれしい悲鳴を上げております。
さて、以前から時折、tmのKYBフォークがカタイという意見がありました。

正直、体重によってはその意見を認めますがカタイと、言うよりダンパーの動きが遅い、締まっているという認識です。
が、今回はtm用KYBの話。

 

尚、予めご了承いただきたく思いますが“tmは標準仕様で世界選手権を戦えるマシン”です。

つまり世界のトップライダーが乗って世界最高峰のレースを戦える仕様です。ですからマシンセッテング自体時代の最新鋭というか、現在のトップライダーの要求に沿ったセッテングとなっております。
まずこの辺りを先にお分かりいただきたく思います。


つまり、我々の様な一般的ライダーであれば林道走行や日本の国内レースでの使用では“カタイ”と認識されるのは当たり前と言えば当たり前。
でも、あの圧倒的なスタビリティー、安定感、接地感はtmのセッテングだから実現しているのを忘れてはいけません。
ですから単純にカタイという話から安易にスプリングを変更、サスの中身を弄るのは改悪につながる場合が多くなります。


余談
だから良いでしょうとは言いませんが、何気に他と比べてカタイとか、他はあーだとか、コーだとか?という話をtmにちょっと乗っただけの方、ユーザーさん以外から頂いても返答できません。
また、一般人が“乗り易いバイク”とトップライダーが世界戦をストックで戦う目的のtmと比べられる意味が判りません。

 

“良薬口に苦し”なんてことわざもありますが、何でも“易いは安い”につながり安物に良い物などないのが世の常です。

但し、ユーザーさん希望は出来る限りのアドバイス&対応はさせていただきたく思います。

さてtm125の標準仕様に組み込まれているスプリングレートは4.0N/mm(125/144)ですからごく一般的。
例えばよく比較される同様にKYBフォークを装着した125エンデューロバイクのフォークスプリングは3.9N/mm。こちらはモトクロスベースで保安部品装備が無い為の車重の違いを加味したらほぼ同じ。


そのマシン、確かに実際に乗るとサスが良く動き何か良い感じですが、乗り込むとダンピングが弱いというか?動きが速いというか?レーサーとは思えない程柔らかくて不安定で軽い挙動から“怖さ”が先に立ちます。とてもtmと同様にはアクセルを開けることは出来ませんでした。特に荒れたハイスピードではサスペンションがついてこない印象です。


つまり、“速く走れない”もそうだが安定感+安全性を感じないので思うように走れない。
ま、これも自分なりにセッテングして乗ったわけではありませんから、正しい評価とは言えませんが。


余談
同じKYBでもtm用は見た目から違います。同じKYBだからすべて同じと感違いされているようです。画像参照tmにはこのように補強リブが入っています。

これは何を意味するか?
バネの強さより単純にtmはダンピングが強い。もう一方はダンピングが弱いセッテング。と、言い換えられます。あくまでも単純にですが。

 

tmのダンパーが強い。
つまり、減衰の立ち上がりが早い。強いという意味になり良く世にいう“締め上げられた”と形容できます。また、動きが遅いという言い方もある。


しかし、動き始めからダンピングを感じ制御された感じがとても上質感を覚えます。従来のマルゾッキのように初動はスッと入る動きとは明確に違うフィール。

 

ですからtmの場合、最初はダンピング調整、サスペンションフルード変更そして最後にシムの変更等で対応をお勧めする。また、サスペンション自体のアタリもあります。


スプリングに関しては後で述べます。
ただ、現実にはシムまで変更する場合は相当大がかりになり、余分なコストをかける事になります。
* ご希望が有ればお金のあまりかからない方法をお知らせします。車体番号をお名前と共に連絡ください。但し、手当は推奨するショップにて手当てされてください。

 

また、シムを変更すると改造になり、場合によっては下取りなどには不利になります。

加えてリバルビングがあたかも価値が上がったように勘違いされておられますがtmからしたらただのデチューンというか改悪でしかありません。


更にはtmを知らないお店での改造は論外になります。少なくとも弊社の推奨するお店以外では手当はお勧めしません。


余談
ですから、闇雲にスプリングを交換する。というのには疑問が出てきます。
貴方のマシンですから“何を変更する”もかまいません。

但し、もとに戻せる状態にて行ってください。

実際、エンデューロマシン(レーサー)の価値は“挙動の鈍感さ”もしくは“挙動の安定感”であるともいえます。


早い話、ソフトでヘナヘナのダンピングが効いていないではサスでは安全に走れません。
現在のマシンは強靭な剛性に支えられ、ダンピングのビシッと効いた良く動くサス。つまり、tmのサスように外乱に強く無ければなりません。


余談
どうも“良く動く=ヘナヘナ”と言う部分を“良く動く=良いサス”と、勘違いされていないかな?と、思う事しきりです。


余談
気を付けてください。そういうマシンはライダーを育ててはくれません。

何故ならまだ速く走れない、上手く走れないライダーが乗り易いマシンって話ですから。

 

さて勿論、現実にはライダーの体重は大事です。
tmは75~80kgの体重のライダーを想定しております。実際プラスマイナス10㎏くらいはダンピング調整にて我々の使用では問題は認められないという意識があります。それ以外はフルード粘度、シムのセットアップです。


* スプリングの変更は体重が60㎏以下の方以外は触らない方がエンデューロマシンとして正解と認識しております。

と、いう事でtmのKYBがカタイと感じられる場合は社外スプリング等に装着される前に
ダンピング調整、フォークフルード変更、前後のバランスを先に行ってください。

また、スプリングを変更というのは厳密に言うとレベル変更も必要になる。


Rのダンピングが甘い場合もあります。
勿論、さらに体重が軽い方はこの限りではありませんが。
もしスプリングをソフトにするならダインピング調整以外ダンパーはそのままでいったんお試しください。一気にスプリングとダンパー(シム)を変更するのは危険です。


補足
ちなみにtmの標準状態のKYBのセッテングは全機種圧側、伸び側共に最強から13クリック戻しになります。

当初はそれを15とか18クリック弱めて乗ってみる。

但し、弱めた場合は圧より伸びを1~2クリック強めるのを推奨します。

例えば圧は17クリック戻し、伸びは16クリック戻しって感じです。お試しください。

 

最後にtmは高度にバランスをとったレース用マシンです。フォークスプリングは非常に重要な部品になります。
くれぐれも安物、素人改造にはご注意ください。安物買いの銭失いで済めば良いのですが怪我したら元も子もありません。