プラグのカブリ

毎年この時期は新型の納品から初乗り、また今年最初の走行故の“プラグのカブリ”の報告がチラホラ有ります。
カブリは新車、もしくはなれない故、また、混合燃料使用のレーシング・マシンとして一つの流れというか、お約束みたいな物ともいえますが・・。
 

レーシングプラグは一端カブルと基本回復しませんからにプラグ交換という“お金”が掛かります。
故にそれが頻繁になると“車両の責任もしくは問題”にされる場合もある。
勿論、その気持ちは良く判ります。また、時に機械の問題もありますが実際多くは乗り手の問題、知識、経験がその原因のほとんどなのが実情。

 

例えばスロットル・ワーク。(または乗り方)
混合燃料使用のレーサー(特に大口径キャブ)のスロットル・ワークは“ゆっくり開けて、スパッと戻す”のがセオリーですが、その反対に“急にガバット開けて、ダラダラ戻す”のはカブリの原因の一つです。
して、このようなスロットル・ワークをされる方は多いようです。

 

また、必要以上の開けすぎ。
速度にマッチしないギャー(高いギャー)使用時にスロットルを開けすぎる。つまり、必要以上の混合ガスをシリンダーに送り込む。しかもエンジン回転は上がっていない結果、クランクケースにオイル分が溜まり再始動時などのカブル要因となります。

 

アイドリング状態が多い。
結構見受けられるのが、アイドリングままよくバイクを止める方。
ちょっとした小休止とか、仲間のスタックを助ける場合など自分のマシンから離れる際にエンジンを止めない場合などですが、これってカブらせているような物です。また、アイドリングでの暖機運転も同じ事です。
更にエンジンが完全に温まっていない状態でアイドリング、エンジン始動を繰り返しても同じです。
余談
多くがこのアイドリング状態が多い、長い。しかもエンジンが温まっていない場合は特に。
混合ガスの比率は最高出力時の回転、全負荷時に対応したオイル混合比になりますから低負荷、アイドリング時にはオイル過多状態。

 

キャブレター・セッテング
大口径キャブ、混合燃料を使用する“本物のレーシング・マシン”では外気温等によるキャブレター・セッテングは“絶対に必要”になります。
また、乗り手のスロットル・ワークでも変化しますので例え同じマシン、同じコース、同じ日でも乗り手によってキャブレター・セッテングは微妙に違う。

 

薄くすると焼き付きが怖い。セッテングは判らない。でもカブルからどうにかして!
気持ちは判ります。でも、その前にキャブレター・セッテングを行ってください。
そしてセッテングが合っているなら多少のアイドリングが長くともカブリは激減します。

さてtm2TはPWK38という大口径キャブレターを採用しています。しかも125から300まで同じサイズのキャブレターを使用している“レーシング・マシン”です。

 

tmは125も38口径という大きなサイズを必要とするのか?
つまり、パワーが有る、回るから必要なのです。
反面、小さなサイズのキャブを使用という事はパワーがない、回らないのですから濃いガスも濃いオイル混合も必要有りません。

パワーを引き出すにはより多くの燃料(混合気)が必要。ですから大口径キャブが絶対条件になる。
大口径キャブを使用していないバイクは、つまり、パワーが無いのです。早い話“回らない、パワーのないレーシング・マシンをレーシング・マシンとは”とは言いません。
余談
ただ、誰にでも売る。というか、売れるからとそういうレーシング・マシンもどきを販売するのでしょう。

しかし、レーシング・マシンならではのパワー、フィールを享受する為の最低の条件というのが大口径キャブレターと濃いオイル混合比になるのです。
余談
インジェクション・マシンも同じです。
本物のレーサーのセッテングは標準でも非常に“濃い”。
また2Tと同じくtmのインジェクションはスロットル・ボディーの口径は41という大口径です。
して、tmのセッテング・ツールは全く新しくマップ・データを製作できる高度な機器を準備しています。はっきり言ってレーサーとしての生まれも育ちもレベルがスペックでも判るのです。

 

でもカブラ無い方が良い!
それは私も同じです。プラグのカブリは時に本当にイライラしますから。
ただ、本物のレーシング・マシン(ハイ・パワー・マシン)に乗りたいならキャブレター・セッテングは必須です。まして快感に等しいフィールを味わうにはこのセッテング無くして味わえません。
どうか、今一度ご自身のご使用状況、方法を再考されてください。

 

tmはカブリ易い?
確かに大口径キャブですし、セッテングも濃い。更にオイル混合も約3%と現在の中では抜きんでてオイルが濃い。
つまり、カブリ易い要件だらけですが濃いセッテングはレーシング・マシン、ハイ・パワーである以上“当たり前”。

しかし、反感覚悟であえて述べますが当方の使用状況(林道)では標準状態のままでもカブった事はこの10年以上記憶にありません。
トランポ積み込みが面倒なので公道を10㎞以上移動して林道走行というのも多いですが、その公道走行中でもカブった記憶はありません。
当然コース走行はカブリなどありません。

また、インプレにもありますように慣らしの様なほとんどスロットルは開けない場合でもカブリはない。開けすぎない丁寧なスロットル・ワークを心掛けているだけですが、それでも十分速く、痛快で愉しくそして面白いのがtm。
補足
当方が、速い、上手いと言いたいのではありません。ただ年齢から経験が多いだけです。タブン、貴方もマシンと対話が進めばカブリは減ってくると思います。

余談
残念なのは現在ライダー(若手)を育ててくれるカリスマチックな販売店主さんが少なった。また、雑誌のレベルの低さです。
多くのメーカーさんも販売するのが大事ですから“売れる物”しか、作らない。良い悪いではないが誰でも乗れる(カブラない、セル装備)マシンを製作するのが当たり前になった。
昔話をしても仕方がないが、自分がバイクに乗り始めた頃は“エンジンが掛けられないならバイクに乗るな!”とか、始動直後にアクセルをひねったらその手を叩かれた等、バイクショップのオヤジが、もしくは先輩がバイクに乗る術と良い物、本物、高性能は安く、またはロハでは手に入らない事教えてくれた。
それは?
二輪は人間が操縦して初めて機能する乗り物。つまり、乗り手の技量、経験または性格も性能、安全性を決める要素が非常に多くライダーによってはとっても危険な乗り物となるからです。
ですから乗る前に、乗るにあたってある“儀式”と、いうかハードルが有っても良いのかもしれません。

セルが付いた。インジェクションになった。カブらないよ!
大いに結構、時代が要求しているのですから。でも安易な“エンデューロもどき”なら必要ない。
レーング・マシンは乗って、走って面白い!パワーが有る!速い!と、言うのが価値。

また、時代というならtmもその内に装備されると思う。
でもtmスプリットは無くなりません。何故ならtmはたくさん売る為の大量生産という発想は全くないからです。
何故なら社名がtm racing社ですからtmのレーシング・マシンを作るのです。
自分たちの考える、思う、欲しい思うレーシング・マシンをいつの時代も作ってきています。それはこれからも変わりません。
本物のレーシング・マシンだからtmは本当の愉しさと共にライダーを育ててくれる。

トレールやエンデューロもどき。また、それらをレーサーにするという改造パーツ満載っていうのもいらない。
もどきは所詮もどき。
純レーシング・マシン。生まれも育ちも純レーシング・マシンだから価値が有る。

 

ただ、機械の問題も確かにある。
例えば油面です。
油面が高いなどの場合はカブリ易くなります。同時にフロートバルブに異常、フロートに穴が開いている等々オーバーフローから結果油面が高い状態。
また、PJ、エアー通路のつまり。
また、指定以外、レベル以下のオイル、古いガソリン等によってもカブリはあります。それと中々というか、意外に気が付かないのがエアー・ベントホースの詰まり。
また、レーシングプラグではなく通常のESプラグの使用等。

余談
85年に初めて乗った外車が新車時からそれこそカブッて、カブッて仕方なかった。いくら販売店相談しても“乗り方が悪い”“あんたが下手”と、暗に言われて相談どころかバイクも見てくれない。
一日に1400円のプラグが4本以上カブルのですからたまったものではありません。
余談
レース直前にはお湯入れようか?と、本気で思ったくらい。

 

すった、もんだとしているうちに新車から走行4~5回目?に今度は焼き付き!
カブルわ、焼き付くわ!と、どうしようか?状態に陥りました。

最終的にはカブル原因はエアー・スキュリューのサビが原因。エアー通路の奥にエアー・スキュリューに発生したサビが固着。いくらエアーで飛ばしても飛ばない位頑固でした。それでも何度も何度も掃除したらカブリは収まった。

ちなみに焼き付きはヘッドボルトのゆるみによる冷却液混入が原因。そのマシンは新車から数百キロ走行後には増し締めが必要との事でエアー・スキュリューのサビと共に情報不足、点検不足の人災でした。
最も現在のマシンではありえないでしょう・・が。

 

最後に!
カブッたプラグにお困りの方はプラグをお送りください。サンドブラストにて再生します。ホボ通常の走行には使用できる状態に回復できると思います。
勿論、無料!
但し、tmユーザーに限り。尚、往復送料はご負担ください。

 

尚、カブルのは燃焼温度が低い。負荷が低いなど十分温まっていないのも原因です。一般公道走行の多い方にはサーモスタット装備をお勧めいたしますのでご相談ください。モタード専用純正部品ですがエンデューロにも使用可能です。但し、コース走行、レース使用には不向きです。