試乗会雑感

先日、4日は成田MXパーク(千葉県)にて外車5社、国産3社に対して総勢115名を集めての大試乗会が開催された。

弊社も昨年に引き続き参加。


 当初は経費、ホボ一週間という時間を掛けるに果たして?と懐疑的でしたが昨年参加するとそれなりの手ごたえと実績があった。

勿論、翌年の実績で決めた訳ではありませんが、なにも反応が無ければ正直参加するか?と、考えてしまうのも本音。

 

と、言うのも時間や経費も大事だが試乗会自体が基本“キライ”。
仕事ながら自分のマシンを、しかもほぼ新車状態のままいきなり全開で走行っていうのが・・。
勿論、tmのすばらしさを知っていただく、また売る為と正直20年以上試乗会は涙を呑んで行って(大袈裟か)いました。

ですから今は売れる、売れないより気持ちよく乗っていただきたい、終わりたいのが素直な気持ち。

何事もなく終了出来たら成功だと思っています。

そういう意味では今年も大成功でした!

 

ま、そんな話は如何でも良いとして今年、気が付いた事が有ります。
それは“キックできない方がすごく多い”と、言う部分。昨年もそれは感じましたが、今年はすごく、すごく感じた。


だからでしょう、tmはセルついていないの?ですとか、セルボタンは何処ですか?と、言う質問です。
全体量から見たら僅か数名ですが昨年は少なくともそういう質問はなかった。


それだけ今のマシンにはセルが付いているのが当たり前になってきたのでしょう。しかし、果たしてそれって本当に正しいのか?それでいいのか!

だってtmにセルが付いていないのは事実じゃん!
と反論されるのは覚悟の上ですが・・・。申し訳ないがカッコ良くないでしょ。

エンジン始動ができないと。

 

と、話はココで一端切ります。
して、エンデューロ主催者とする会話で“最近のライダーはバイクを押さないね”

“バイクは昔から見たらすごく良いから林道は速いんだよね。”

“でも速いだけで上手くはない”

“レースのマナーがなっていないね”と、言った話は必ずと言って良い位出てきます。

 

昔の話をしても何も始まりませんが、例えば昔80年代までのエンデューロマシンは左キックが主流でした。また、クラッチも現在の様に完璧には切れず少々引きずる感覚でした。


で、それは如何してか?
左キックはバイクを押す際、殆どの方はバイクの左側に降りてマシンを押します。

スタックした際など想像されるとおわかりでしょう。

 

だから“左キックが必然”だった。

また、身長が低いライダーでもエンジン始動が楽にできます。

その轍でスタックした際のエンジン始動の楽さは左キックマシン(つまり外車)ファンができる事にもなりました。


そりゃそうでしょう。スタックでマシンを押した状態でエンストしたら右キックだとエンジン始動の度にバイクにまたがるなんて非効率的以外何物でもない。

左なら焦ることなくゆっくり圧縮上死点を探して、右足でキックペダルをきっちり踏み下ろす。

すると、一発始動ですよ。

その最、腰にマシンをホールド出来たら完璧でした。

 

余談
キックという言葉が悪いのでしょうがキック、つまり“蹴とばしたり、蹴ってもエンジンはかからない”
蹴とばすのではなく圧縮上死点からきっちり確実に踏み下ろす“のが肝要というか、エンジン始動の当たり前というかコツというか・・。


ましてキックペダルが戻る途中で何度も蹴とばしても“絶対かからない”それどころか壊してします。
そういうのも左キックから自然に教えられました。


余談
キックによるエンジン始動、アクセルワーク、マシンの取り扱い一つがライダーレベルを物語ります。
これらが自然にきちんとされるライダーは実に恰好が良い。

走る前から上手なライダーである事を周りに示してくれます。
そういうライダーは大体マシンを壊さない。

壊れてもマシンを悪く言いません。

 

貴方もカッコよくスマートに、一目置かれるライダーとなるに越したことはないでしょう。

 

また、クラッチが完璧には切れない。軽く引きずるのは?

上り坂などでのエンジンストールの際、慌ててクラッチを切るとバイクは後ろに下がり、時には転倒する場合もありますがそれを防ぐためです。
その状態でも2Tであればエンジン始動が可能な場合もあるし、バイクがさがらないと落ち着いて処理できるからです。


その為に“メタルクラッチプレート+メタルフリクションプレート”と、いう耐久性のある材質が多かった。
昔の4Tはエンジン始動にかなり問題がありましたのでセルスターターが当たり前のように必然になったのです。


つまり、優先順位というか、理由がきちんとあったのですが、それを知らない方々はクラッチが切れない。とか、たいして足も長く無いわりに左キックはダメだ。なんて言っていました。


でも、知らなくて当然。だって日本にはエンデューロですとか、エンデューロマシンなどなかったのです。まして本場のヨーロピアンエンデューロマシンなど見た事もないのです。


余談
ただメタルクラッチには大きな欠点があったのもまた事実。

それは半クラッチなどを多用するとメタルが熱膨張して全く切れなくなる事も多々ありました。
また、耐久性は高いのですが、一端滑るとまったくごまかしがきかずに即交換が必要でした。

 

しかし、時代は流れ、また、おおくは環境問題からコースはどんどんクローズドされたモトクロスチックになり結果走破能力より速さが求められました。

結果、MXマシン改造エンデューロマシンが増えてきました。


結果、上記の様な左キックも切れないクラッチも必要なくなってきたのです。
つまり、言葉はわるいですが“安易、安い、簡単”にマシンは変わってきたのです。


余談
そんなクラッチの切れないマシンでもマシン性能はとても高く反面人間チックで味わい深い乗り味を持っていました。そして少なくともライダーを育ててくれました。
また、良かったな~懐かしいな~って感じで今も会話になります。
しかし、残念ながら今のセル付きバイクは味わいなどありませんから20~30年後の好き者の話題に上る事はないでしょう。


余談
また、外観は限りなく近いMXとENマシン故に改造という安易な発想から改造されるようですがショップでは基本不可能。専用製作されたメーカー製とは大きく違います。

それはフレームジオメトリー、スイングアーム、サスペンションセッテング、排気系、エンジン特性などかなりの部分が異なっているから。

 

現在の2Tにもスターターが付いてきました。
それはまるでトレールバイクの様にユーザーフレンドリーです。結果、ユーザーのすそ野を増やすことにつながるのは事実。
でもそれはエンジンパワーだけでなく、サスペンションのレベルというか、マシンそのものはレーサーとは呼べるでしょうか?マシンとしての基本性能が低いままでカッコ悪いライダー製造マシンになっていないか?


正直いって疑問です。
しかし、そのようなマシンも悲しくも多くの方がそれをレーサーと認識されるのもまた事実。

ただ、それに気が付かれてtmユーザーさんになる方も多いですから、それはそれでありがたい話です。

また、レースのマナー、ルールなど全く判っていないで参加される方を多く見かけますが、是非愉しい趣味をより深く愉しく為にも正しいエンデューロ、エンデューロマシンの歴史、その理由も調べてみてはいかがでしょうか?

 

例えばキックも踏めない。正しいキックでの始動方法知らない方はまずそこからです。
バイクは確かに簡単に走れるようになりましたが、最後は人間の技術知識がバイクライフを愉しくもできれば、その反対にもなります。
セルが付いているがキックでエンジン始動っていうのもカッコが良い物です。

 

余談
今回の試乗会の中、エキシビションレースがありましたが、その中でとあるセル付きバイクが火災を起こした。リチウムイオンバッテリーから発火したのか?原因は定かではないが、同様に山の中でセルが使えなくなった場合を想定しましょう。


リチウムイオンバッテリーは確かに軽く、ハイパワーですが現在は宅急便でも空輸できないほどの発火しやすく危険物なのもまた事実です。

セル付きバイクは素晴らしい。自分もセルが付いていたら間違いなくキックは使用しない。
でも、キックでエンジン始動ができる事が大事だというのをご理解いただきたい。キックのついていないバイクなど論外。


山遊びは冒険ですからね。

また嫌われることを書きましたが、先の試乗会に先駆けて雑誌取材を受けた際に今、確実にオフロードの人口も含めてバイクが脚光を集めているという話になった。

だから、正しい知識、技術を少し勉強するとセルのありがたみをより感じるでしょう。

 

バイク屋さん、諸先輩たちよろしくご指導ください。

と、言いながら来年1月は九州で初tm試乗会です。つい、余計なこと言っちゃてまずいかな?