冬支度

今年は出かける先々で“今年はおかしいね”“寒いし雪が早くて嫌になるね”と、大体どこに行ってもこの挨拶から始まる。

ま、それは良いとしても10月にタイヤをスタッドレスにしたのは人生初なのは間違いない。

ただ、それはtmに乗る時間が無くなってしまう事も意味する。
実はそれが少々悔しい!!!


それは今tmに乗りたくて仕方がないから。

こんな気持ちは久し振りですが17tmが素晴らしすぎというのは間違いない。

あの滑らかさ、しなやかな息使いは病みつきになるほど悩ましい。
それほどの魅力なのです。

 

余談
新型にするとバイクに対する思いが、深まる、またよみがえる!と、言った人がいるがよく判ります。

 

しかし、イタリアから帰ってくるのが14日ですから20日か23日くらいがこの辺りじゃ山に行けたとしても、いずれにしてもラストチャンスかもしれませんが、すでにこの雪じゃダメでしょうね。
HOPも先日走って気に入ったのでtmに乗れるならHOPでも何処でも良いのですが、いずれにしても冬将軍次第でしょう。

 

そんな事を思っていると“オーバークール”という話が出てきた。
そう、いうのも先日納車した方のブログ記事に対してこの時期は“オーバークールに気をつけて”と、意見を述べましたが、毎年新しいユーザーさんも出来ますし与太話新人もいらっしゃるでしょうから何回目かの“オーバークール”の解説を一つ。

 

オーバークール(over cool)は文字のごとく冷え過ぎを意味しますが、問題なのがオーバークールはエンジンが壊れる原因となる事。


一見、オーバークールによる損傷は通常良く聞くオーバーヒート、キャブレレーションミス、回しすぎによる焼き付きによく似ています。


ただ、オーバーヒートは排気側を中心にピストン、シリンダーが損傷しますが、オーバークールは吸気側が損傷。

 

原因、ピストンは燃焼に直接さらされますからすぐに膨張します。しかし、シリンダーは外気の寒さから冷たくなった冷却水よって常時冷やされます。結果ピストンに比べて規定まで膨張できないシリンダーは適切なクリアランスでなくなり結果抱き、焼き付く現象が発生。


それは始動直後が多い。

また、外気温が特に寒い場合は低速、暖機運転などでラジエターやシリンダーを回る冷却水が十分温まっていても現在の高効率ラジエターは走行風によって一気にエンジン(シリンダー)を冷やします。


結果、同じ様に焼き付きます。
ですから、停止したままの暖機運転など全く意味を持たない。というのがお判りでしょう。


余談
大昔、10月くらいだったと思いますが長い間暖機運転しているレーシングカートが有ったので“いくら暖機しても走り出したら一気に冷えるよ。それよりラジエターふさいだら。”
と、アドヴァイスしたところ“大丈夫メインあげたから”と、言うのでパイロットは?と聴くと“そのまま”という返答から“あれは焼き付くな~”と、同行した方と話していました。


そして走行開始からわずか最初のコーナーで焼き付きが現実に発生。
だから言ったじゃないの~状態。
完全な人災でメカニックもしくは乗り手のミスです。

 

余談
でも多くの場合、機械の責任にされます。

焼き付いた!ってね。
通常より濃くしているのに壊れた!バイクの責任だ!という話が当たり前のように独り歩きします。でも、それは大いなる勘違いで“焼き付かせてしまった”が正しい。


貴方の懐の為にも2Tレーシングエンジンの当たり前が判るお店とお付き合いください。

この場合はオーバークールもそうですが全開からブレーキング&全閉。

するとガスが一気に薄くなる。して再度アクセルを開いた瞬間に発生。


メインのガスは以上に濃いが全閉時のガスが薄すぎる。濃い、薄い幅が極端に大きすぎる。つまり、セッテングミスに加えてオーバークールのダブルパンチですから焼き付くのが当たり前状態です。


余談
その販売されたお店の方が言うには“大丈夫だってちょっとネパッタ?だけ、磨けば直る”
って!そんな簡単な話ならだれも苦労はしません。

 

また、先にも述べましたがオイルの混合比は全く関係ありません。20:1だから、オイルを濃くしているから焼き付かないなんて事はありません。

 

反対にキャブセッテングも含めて機関状態が完璧な状態であればオイル混合が多少少なくとも焼き付くことは少なくなります。

 

焼き付き原因となる第一がキャブセッテング。
次いでオーバーヒート、回しすぎそしてオーバークールですが、先に言ったように一見損傷部分が同じなので本当の原因が中々つかめない場合があります。

 

でもよく考えてみると以上すべて乗り手の問題だというのに気が付きます。言い方を変えると技量、知識、経験等つまりライダーによっては上記の部分は100%ではないにしろ回避可能な部分。


勿論、機関のトラブルというか機械の問題もありますが・・。

早い話、混合燃料使用のレーサーの機関損傷は乗り手の責任という事がお判りでしょう。


確かに機械によっては“余裕”というか“許容範囲”に違いはありますがレーサーである以上逃れられる部分ではありません。


俺のバイク&エンジンは大丈夫なんてことはありません。

あるとしたらそれはトレールエンジンであってレーシングエンジンとは言いません。また、乗り手のレベルのちがいでしょ。

 

対策はサーモスタット装備ですが、レーシングエンジンとして高度であればあるほど冷却効率を重要視しますので冷却効率を下げるサーモスタットなど余分な抵抗でしかない。


そう、冷却効率にも軽量化にも反します。
じゃ、如何する?
ラジエターをマスキング(ふさぐ)という昔からの手法で対策します。


例えば外気温5度以下なら片側のラジエターを段ボール、ガムテームなどでマスキング。
外気温0度以下なら両方ふさいでみてケースバイケースでマスキング範囲を調整。

加えて完璧なキャブレーションです。
メインだけ大きくしても意味はありません。必ずパイロットも大きくする必要があります。
それどころかメインを大きくしただけだと相対的にパイロット領域だけが極端に薄くなり、結果先のカートのようになります。
本当にパーフェクトなキャブレーションならオーバークールトラブルも少なくなるでしょうね。


余談
理由はそれができるライダー、メカニックなら対策も教えてくれるし、してくれます。

乗り手の知識、経験、マシンとの対話。
これは実際もっとも大事です。

 

ただ、難しいのも事実で経験を積むしかありません。
しかし、ここが大丈夫ならいくら寒くとも、セッテングが薄くとも致命的には壊れる事は少ない。

 

尚、オーバークールでいきなり機関が停止しなくとも、ごく軽いオーバークールでもシリンダー、ピストン摩耗が一気に進みます。


時折シリンダーを外すと排気側はきれいでもピストン、シリンダー吸気側に傷多数なんて状態がそうです。


中古のレーサーを購入する際は比較的高価でメンテナンスに手が入った物、もしくは手に入れてからかかるお金を考えて安い物を購入した方が良いですね。


ほんと中古レーサーにはご用心です。