NEW ! 2017tm144&250 総括インプレ。

まだ10月だというのに雪の雰囲気が色濃くなってきた昨今、かねてから必要を感じていた試運転&最終ランニングインとして雨と雪の合間をぬって250は22日に。144は27日に山に行ってきた。

実は15から17モデルの流れから17モデルは良い意味ヨーロピアンエンデューロマシンのフィールに戻った?回帰した?いやこれが新しいというか進化型ヨーロピアンマシンのトレンドと言えるのではないか?


と、私の五感に17tmは訴えてきていましたが走行自体が足りないのか?今一つはっきり見えてこない。また、250ばかり乗っていた為もありました!(そう144に思い切り乗ってはっきり見えました)


 慣らしというかマシンを知るには丁寧なスロットルワーク、そして開けすぎない事が最も大事になります。しかし、その本質を知るには様々な状況にて時には乱暴なスロットルワークで確認する必要もあります。


勿論、どんな走りでも17tmはその進化を見せてはくれますが、自信をもって17のtmはこうなった。と、言えないもどかしさも感じていました。


そこでtmの輸入元としても、tmファンの自分自身も確認、納得したくて山に向かう事にしたのです。


詳細は最後に述べますが、やはり17tmの変貌はとても大きく、また新しい時代をも見せてくれるべく変貌をしていた事を確認できました。


長文になるかと思いますが、お楽しみいただけたら幸いです。

尚、下記のアドレスは先日250のテストの際に同行された方による250にインプレです。かなり、判りやすく表現されていますので参考にされてください。http://tm144en.exblog.jp/

 

場所は弊社から10分ほどのいつものテストコース(林道)で大体50㎞程の行程を途中写真撮影に一回くらい停車しますが通常休みなく1時間半から2時間かけて走ります。
路面的には比較的固くしまりフラットながら緩いアップダウン&ワインディングが約30㎞。


残りが現在林道製作中の粘土質で荒れてアップダウン、そして曲がりくねったとっても愉しくも美味しい所と近いが贅沢にマシンを試せます。

 

ただ、この時期はクマに出くわすこともあります。
現実に二年前、目の前にて子熊2頭と母親の親子がバイクの音に驚いて斜面を駆け上がっていった。

 

しかし、今回tmの変貌に気が付いてから意識はクマどころかスロットルを通じてマシンとの対話に費やす事に神経を集中が必要。
それは大げさではなく初めて感じる様なフィールであり、従来型との違いからこの変更は本当なのか?間違いないのか?と、自分で乗っていながら半信半疑というか、その変貌が信じられない自分もいました。

が、対話(距離)が進むうちに赤らかに従来型tmと鮮明な変化が明確に、そして確実な物になってきました。
して、それがはっきり確認できたときはちょっと大げさではなく“感動”しました。


それはエンジンの進化!
今や完成されきっていると言われるレシプロエンジンがここまで変わるのか?
これがレシプロエンジンの最終進化形なのか?と、思えるほどの変貌に少なくとも私は感じます。

 

さて最初は250

フィールは散々述べてきました。基本同じですが22日お客様と山に入った際、初めて思い切り開けてみました。すると。
2速足りない?


余りの加速の速さというか、心地よさというか豪快な加速にファイナルが低すぎ?に感じたのです。
しかもトップギャー(5速)での加速の事ですが、驚くのは相当低い速度からでも5速のまま想像以上の速さにて加速していきます。
このフラットな伸びは確かにtmであるが、従来以上に洗練されたスムースな回転を見せます。


それ故に速いというか、ゴージャスすぎて1速どころか2速足りない?
でも車載メーターを確認するとすでに三桁をはるかに超えている。

 

そう、3速全開加速と同じかも?言えば大袈裟ですがそれくらい速度のノリが速い。しかも安定していますから速さを感じさせない。


 tm250は元来柔軟でスムースなトルク故にいつもの林道なら少々大袈裟ながら5速固定でも楽しめますが、のんびりツーリングペースの速度から5速のままスロットルを開けていっても、如何様なスロットルワークにもスロットルにシンクロして速度が上げます。

この力感と余裕はすでに250という枠では語るべきではないかもしれません。
先の林道ならスロットル開度20%以下で十分な面白さと速さを実現しているのがtm250。


それくらい余力のある250故に通常“全開”など全く不要ながらパワーを解き放った時は視界が狭まるような速さから“すごい”と、表現するしかなくなります。しかもスムースですから緊張がない。

既に装備されて3年経過したトラクションコントロールも熟成されているのでしょう。速さ、加速、安定感を助けているのは明確です。
フリクションレスと言えるスムースさを保ったまま回るエンジンの強大でフラットなトルク、パワーすべて余すことなく、路面に伝えるのでしょうそれは、それは速く、排気量の枠を超える速さをも身に着けたようです。

 

その反面
スロットルを開けなくとも愉しいのもtm250ならでは。

車体の安定性+トラクションの良さ+スムースで落ち着いた挙動もそのおおなる魅力。だから確かに相当飛ばしても余力、余裕の内に走れますから安全マージンも十分とれます。
軽く回り、スムースな回転上昇は実に“上品”ともいえるマナーを与えています。

 

なによりライディングが心地よい。

またマシンとして完成度も高い為に17tm250は酸いも甘いも知り尽くした大人のライダーにこそふさわしい。そして彼らを魅了するのは間違いない。

 

さて144

27日に144にて同じ山に入ってtm2017モデルの共通進化した部分がはっきり確認できた。

それはエンジンからフリクションを感じない回転フィール。
tm17モデルは全機種クランクシール、新ニカシルメッキを施したシリンダーとなった。
他にもポーティング等も変更されていますが、その違いって判るの?くらいの意識でしたが余力あふれる250はある意味そのパワー、凄さからその本当の違いが見えにくかったのは事実です。

 

しかし、エンジンの回転フリクションの低さを144に乗って初めて明確にその変化、違い、進化、効果、事実を見出すことが出来たのです。
結果、改めて250にて感じた部分も確認でき本来の17tmをもより鮮明に見えてきたのです。


余談
まるでリッター500円のオイルを6000円のオイルに変えた様?と、いうのは少々乱暴で安っぽい表現ですがシリンダーとピストン間はオイルしかない?金属ベアリングではなく、浮いている回転軸なのか?そんな感じにてフラットトルクを味わえます。

 

しかも艶っぽい。

 

エンジンのフリクションが少ないというのはライディングにおいての具体的な例を述べます!
それはライディングにおいて“待ち時間”がないという事で確認できます。
小排気量であればシフトミス、ちょっと回転を落としたり、失速したりするとスロットルを開けても反応しない場合があります。結果、乗り手の想いとエンジンパワーの立ち上がりにズレが生じる。


つまり、回転が立ち上がるに待ち時間が発生します。
結果、半クラッチを当てる。シフトダウンするのが当たり前です。

まして小排気量では。

しかし、17tmにはその回転上昇を待つ感覚がない。と、いうか少々回転を落としたとして“いらだつ”というか待つ意識、半クラッチ、シフトダウンが必要に感じる事が無いままにスムースに、しかも力強く立ち上がってきます。


言い方を変えるなら、待つ感覚、トルク不足、不満を感じないうちに回転が、速度が上がっている。
勿論、程度問題ですが、わざと意識して回転を落としたとしても“エッ”と思うくらいスムースに、思うように回転を上げ、立ち上がります。だから待つ感覚が無い。この様な感覚は初めてです。

 

27日144に乗り始め全開はありませんでしたがそれでも当初“速ええ”と、正直思って乗っていました。だから全開など必要ない!


この感覚とても144とは思えない。


証拠に250ではなかったオーバーランを繰り返してしまい随分パワーあるな~って感じた程。
正直144に乗ると250はいらない。と、感じるでしょう。

それくらい速く、トルキーであり愉しいマシンです。
あえて言うなら大人チックな魅力の250に対して若さあふれる144。

 

ただ、当初トラクションコントロールが無いからか?ピックアップが良いから250から見ると少々テールが滑るな~程度から積極的に滑らせてライディングを愉しんでおりましたが、それを簡単に可能にするトルクの大きさというかマッシブ感を大きく感じます。とにかくレスポンシヴというか立ち上がりが速いのに驚いていましたがふっと気が付くとマップ2で走行しておりました。

 

ありゃ!とマップ1に変更したとたんです。
実にスムースに変貌します。

と、いうか筋肉質なスロットルレスポンスが今度は力を感じながらも上質感あふれ滑らかに反応してコーナーをグリップして速く回れる。


また、コントロールが楽になったのでより愉しくもあり面白い。
なによりスムースなのが心地よい。レーサーの速さを心地よさを感じながら味わえる?と、言えば判りやすいですか?

 

して、タイトターン&荒れたアップダウンに入ります。
しかも連日の雨で水分たっぷりの滑りやすい路面でしたがマップ1のマナー&トラクションの良さを確認できる。
 144という排気量ながらトルクの不足など全く感じない。低中速がとにかく豊かでスムースなのがライダーの自信につながりますからライダーを育ててくれる。

 

このような状況では低速向けマップ2を推奨しますが実際はマップ1の方がスムースに気持ちよく、しかも疲れないで走れます。(私感)


マップ2だと気持ち的にやんちゃに走りたくなります。
ただ、登りの粘りは流石にマップ2に軍配ですが、ここでもフリクションの低さが際立ち、従来ならシフトダウンが必要に感じてもアレッという感じでスルスル登る。
同じタイトでアップダウンの続く路面をマップ1とマップ2の両方で走ってきましたが、あえて言うなら痛快さはマップ2かな?

 

このヌルヌルの登りの安定感、安心感は250も全く同じ。ちょっと今ままでの2Tとは次元が違う?と、言えるかもしれない。

 

して、高速。
6速ギャーボックスを持つ144も250同様に6速のまま固定での加速でも一気に最高速まで立ち上がります。


この感覚250チック。
このスムース、滑らかなエンジンフィールは筆舌には尽くせない。パワー&トルクが2まわり以上増えしかもフラットに感じます。しかも何度も言いますが回転フィールがとても気持ちが良い!
特にスロットル開け初めの滑らかな上質なマナーは“生き物”って言えるかもしれない。


とにかく、シルキー&トルキーです。

エンジンのフリクションが減るというのはこのようなフィーリングになる具体例としてもtmの価値はすごいとおもう。


 お客様から頂いた250Fiのインプレも同じようなニュアンスです。

上質、軽快という部分より、この気持ちよさはtmを更に昇華した感じです。
従来とてtmエンジンのスムースで滑らかさ、また回転レンジには定評がありましたが17は本当にすごくてエンジン屋さんtmならではの進化でしょう。
いやすごいわ!

 

それと車体
250はそれなりの落ち着きを見せており、また、サスペンションの動きもしなやかでスムースでサスのフィールも含めて大人チックなふるまいを特に250は見せてくれます。
144はまだ固さというか、渋さを感じます。

現実相対的にバネが強い感覚はありますが、もう少し乗り込みも必要かと思います。
が、Rサスはやはり新車とは思えない程、トラクションというか、良く動く感じで、明確に従来のtmショックとの違いを見せます。


なにより、とても高いグリップ感から安心して思うまま走れる車体の安定感ももう言葉はありません。
それと“振られる”なんて微塵も感じさせない確実なハンドリングは乗る度に感銘を受けます。

 

総括
以前、ヨーロピアンエンデューロマシンというのは豊かな低速トルク、粘り。モトクロスマシン並みの長大なストロークを持ちながら長距離走行を合わせてセッテングされたサスペンションを装備。

外乱に対応する軽く高い剛性のフレームとの組み合わせから生み出される走行フィールは各コンポーネントの質が高い部分もあって性能もそうですが何より“乗り味”と表現できる人間味あふれる物でした。
結果、ファンも出来ます。

当時のオープンエンデューロに代表されるコ―スの過酷さから低速があるという部分でもヨーロピアンマシンを好む方々に絶賛されてきました。

 

しかし、世界的環境問題からコースは単調、簡単になり、結果専用のエンデューロマシンでなくともモトクロスマシン改造でも走れる競技に変貌して現在のマシンへとなってきました。


つまり、世界4大メーカーのある日本車がその勢力を伸ばしてきた訳です。

と、いう影響からヨーロッパの各メーカーも日本車に準じたマシンの開発の方向になってきたのは皆さんもお判りでしょう。
実際、組み合わせ部品のクオリティーの高さは日本製に勝るものはないのですから。結果、ヨーロッパ製マシンの耐久性、信頼性も上がってきたのです。しかし、コストダウンも進みました。

 

コストダウンでは失う物も出てきました。

tm以外の多くの外車オフロードが使用部品のクオリティーを下げました。
結果、それは人間らしさ。と、いうかバイクに限らず人間が使う道具が持ちうる“味わい”と、いうか“使用に伴う心地よさ”を失う事になりました。
その部分に価値を求める。共感できる方々にはそれを持たないマシンや道具には魅力を感じません。


例えばオーディオもそう。車もそうです。
 同じ目的の物でも人によって価値観が違います。道具使用に伴う心地よさ、喜びを感じるのがマニアの世界。


これに価値を見出す方は少なくありません。

勿論、それに価値を求めない方もおいでになる。
どちらが良い悪いではなく、ヨーロピアンの機械の持つその人間味とか、そのフィーリングに魅了される。少なくとも自分がそうですし、多くの外車ファンはそうでしょう。


余談
日本の昔の物には多く感じた物です。

私事ですが例えばホンダS600という車がありました。
大学生だった19歳に初めて自家用車として入手した車です。
購入金額は学生同士の個人売買で当時40000円でした。
金額からお分かりのように“走るだけ状態”の解体屋さん行直前の状態でした。

しかし、スポーツカーの定義と共にドライビングポジション、ハンドルのシャープさから走る面白さ教えられました。

そして何よりその“音”が如何に趣味の車、バイクにとって大事な要素なのかを教えられました。
たとえ手間暇、お金が掛かってもその魅力は色あせるものではない。

 

エンデューロマシンもそうでしょう。
走行前にチェック、ガソリンを作り、トランポに乗っけて、走り終わったら洗車、清掃、注油、調整、整備と走る時間以上にも走る為の投資と時間そして手間が必要になる。
でもそんな手間暇もそのマシンが気に入っているなら苦にはならない。
それどころか楽しみになる方も多い。


そのマシンと山の中を駆け巡る部分に心地よさ、気持ちよさ、愉しさに加え味わいすら感じるマシンならなお一層である。

 

今尚tmにはその味わいが満載。だから魅力あふれるのです。
確かに今尚、スチールフレーム+オーリンスを愛でる方や探される方が多い。
しかし、時代は変わっても、フレームはかわってもtmはヨーロピアンマシンであり続けました。しかも最新鋭として毎年確実な進化を、いくら日本製サスを装備してもヨーロピアンマシンとしての自らを貫いてきました。

 

ただ、どこか15モデルで最後となった“マルゾッキ+オーリンス”のあの乗り味を懐かしむ方が、イヤ私自身気持ちのどこかで望んでいた。

その思いを具体化したのが17tm。

昔のヨーロピアンマシンに回帰したというのが適切かは判りませんが、より魅力的であり、人間チックな味わいを感じます。そう、最新鋭、最高峰のポテンシャルと共に!

 

レーサーである以上速いマシンが最低条件。
しかも昨年型より速くなければならない。タイムが伸びなければならないのがレーサー故の宿命。
 しかし、幸いにも本物であればあるほど本物を、究極のマシンを求めるならその部分から“人間味”“味わい”が生まれるのも事実なのはtmが証明しています。


そう、ヨーロッパのサスペンションでなくとも、コンポーネントでなくとも本物であれば魅力あふれるまま生き残るのです。

それは最高そして究極をめざしているからです。
世界の頂点を目指す。
つまり、目標に向かって自分の信念と共に開発されるのですから開発者、デザイナー、テスターの個性というか人間味が移る。


tmが如何にレーシーでありながら“暖かい人間味を感じさせる”マシンである証明にもなるでしょう。

また、これが本物と言える部分につながる。

 

最新鋭17モデルは一つのtmからの回答。
15から毎年フレーム、エンジンも、そしてサスペンションすら変更してきて出来上がった17tm。

端的にはKYBフォークの持ち味を生かしながら、更に極めKYBフォークの性能を最大限引き出すように見直されたフレームジオメトリーはフォークインナー50のマルゾッキよりはるかに高い剛性感を生み出し、マルゾッキに並ぶ比類なき直進安定性、走破性を兼ね備えました。勿論、振られるなんでまったく感じませんからステダンの必要はありません。


勿論、tmの美点である確実で実質的な路面状況をライダーに伝えます。また、痛快で愉しい操縦性はtmの水準です。

Rショックは作動性能を大きく向上させるために低圧化、容量増大そして低フリクション部品の組み合わせからオーリンスに匹敵する動き、作動感を達成。
その上質な作動感覚はため息が出るものです。


また、当然前後サスユニットともに互いの持ち味を引き出すチューニングが施されているのは言うまでもありません。

2017tmは正に“買い”です。きっとあなたは至高の優越感を感じるでしょう。と、いうか、所有欲を満たしてくれる趣味性が高いダートマシンはtmだけという部分に気が付きます。


それほどこのエンジンフィールは素晴らしい!!!!!!!
加えて完璧な車体が最上級のライディングフィールを見せます。

 

今まで是非試乗してください。と言ってきましたが、この本質を見抜くには試乗程度の時間では難しいかもしれません。あらゆる状況で乗って初めて17tmが見えてきます。


確かにちょっと乗っただけでも他との違い、tmの優位性、凄さは即わかるでしょう。でも、それはtmの本質の僅かな部分。ですから軽いだの、パワーがあるなどtmにとって当たり前なので褒め言葉にはなりません。

でも乗ってtmの本質を見る事が出来るライダーであればまさに驚愕するでしょう。


 貴方の今までの常識てが色あせます。
その覚悟を持てる方だけtmに乗ることを許される。