怪しい中古車?

新型が発表になると中古車も動く機会が増えてきます。
基本弊社は個人のお客様よりディーラーというか業者さん、販売店様に販売させていただき、その後、販売店さんがユーザーさんに販売が多い。

ですから、道内のお客様など直接弊社より購入される場合以外、中古車下取りという場面はあまり多くはありません。

 

そんな、あまり多くはない下取りの機会ですが、先日輸入車両のビジネスを初めて以来20年以上経過して初体験の出来事があった。


それはなんと並行輸入車の下取り!


正直、前代未聞の出来事ですが何でその様なことが起こったのか?

お取引のあるお店、また、個人のユーザー様より連日部品の注文、問い合わせがあります。
また、ネットオークション等個人売買にて入手されたユーザーさんにも弊社が輸入した車両に対しても当然部品は供給させていただいています。


しかし、並行輸入車には一切部品の供給はしておりませんが、それを見分けるには車体番号しかありません。
ですからHPなどでも案内していますが初めての中古車ユーザーさんには必ず車体番号明記をお願いしております。

そんな中、昨年でしたが初めての見知らぬユーザーさんより部品の問い合わせメールが届いた。
ま、通常は即、車体番号をチェックしますがその時は忙しすぎたのか、また、きちんと車体番号を記入してあった為からか?“いいですよ”と、返答。

 

しかし、後日正式なご注文があり、改めて車体番号をチェックしたらなんとそれは“並行輸入車両”。125は機種的には並行の少ない。

更に当方の要求する部分をきちんとされ、更に常識的な問い合わせでしたのですっかり気を抜いていた。


困りましたが、しかし、一端OKした事を今度はダメというのは“大人げ”ありません。

また、その方もまさか並行車両と知っていて購入されたのではないのは文面からも判ります。

つまり、善意の第三者です。

 

何より、間違えたのは当方のミスですから次の様に回答した。
この車両は並行輸入の車両故に本来弊社ではアフターセールサービスは行えませんが、当方のミスから今回部品はお出ししますが弊社の在庫は正規ユーザー様よりお預かりしている部品ですので価格は通常より10%アップとなりますが、それでよろしければ。と。

 

結果、その方と部品のやり取りが始まったが、tm自体は非常に気に入られているご様子ですが、なんとその方自身tmは気に入っているが故に“並行車両”と、言うのが嫌になったご様子。
して正規tmを購入したいという話に。


ただ、結構な価格にてその並行車を購入されたご様子なのでまた即車両入替と言う訳にも行きません。
その並行車の処分をどうする?等と、何度かメール&電話でやり取りさせていただきましたが非常に“生真面目な方”であるのは伝わってきます。


弊社としても販売店様でも並行車故に“下取り”は不可能。まして、オークションで処分はまた無責任というか?なんというか状態に陥る!また、一端かかわった以上それを推奨する訳にもいかない。

 

と、様々なやり取り、経緯、問題はありましたがユーザーさんには責任もない。
そのやり取りしていると更にその方の人柄も判ってきた。


なにより、非常にtmがお気に入りという部分を考慮して弊社がその並行車両を下取りしたら全方位的に丸く収まる。と、特例中の特例、異例中の異例ですが新車を購入いただけるならと下取りを受ける事にした。

 

ただ、通常の正規車両でも一端ユーザーさんの手元に渡れば整備状況もそうだが使用状況も中々判らない。
まして並行車両ですから一体どこ仕様なのかもわからない?のですから、清水の舞台から飛び降りる?は、大袈裟ですが本当に下取りしてよかったのかとおもわず自問自答。

 

で、実際現車を見るとオイル漏れは気になるが意外と綺麗!
と、第一印象は良くてうれしかったがエンジンをかけ、走行してみたら案の定!?であった。


まず、エンジンは音が妙にガサツ。また、サイレンサーが詰まっている。のも、あってパワーもトルクもtmの水準ではない。
しかもちょっと乗ってみると低速でエンジンに微振動がある!?

さらにフォークが動きすぎで“ヘタったトレールバイク”のサスペンションのごとく。
ハンドルの動きに違和感!

 

と、ある意味期待どうりの状態にあった。
ただ、あまりダート走行されたようにも見えないが装着ボルトが違う、カラーが反対装着、スタンドの曲がり等至る所が“変”である。
 おまけに並行車両故か?距離は乗っていないが部品に不自由があったのでしょう。各部グリスがあふれんばかりに注入、またボルト類がオーバートルクて伸びていたりとおかしな整備が目につきます。


結果、目に見えるだけでも沢山異常があるのでこのままではとても販売できない。

つまり、再販するにはフルOHが必要になる。


結果、部品取りにするのも考えたがリーズナブルにtmが欲しい方もおいでになると整備を施すことにした。
そう、並行物であってもtm社が制作したtmには間違いないので今度は価値あるマシン。正規物とするための整備です。

いわば怪しい中古車を普通の、正しい中古車にと言いかえれます。


余談
昔、ポルシェ928を並行物と知らずに購入。すごく気に入っていましたが壊れて部品を発注する際に並行物と判った。

幸い部品は出してくれるとの事でしたが仕様国が判らないので分解してから部品発注と、とんでもない手間。


更に日本仕様でないから部品待ち2ヶ月!!
分解して部品待ち2ヶ月も部品待ちで保管してくれる工場はないでしょう!
まして、ポルシェセンターにはお願いするのも筋違い。

同じ形、同じ物でも正規物には購入先からきちんとしたアフターセールサービスがある。


つまり、メーカーが後ろにいる本物というなら、何もない並行物にはすべて購入者の自己責任となる偽物と言える。
つまり、車もバイクも使えなければガラクタと同じでアフターセールサービスも情報も何もない。

あったとしても不便極まりない。


余談
並行輸入は合法だが販売の為に輸入したら業務輸入になるので責任が発生する。

単純に消費者(お客様)に対してのアフターセールサービスの責任があります。正規物は高いから並行というのは良いが責任はあるのです。

 

ま、とにかくエンジンを開けてみるとピストンに“軽い抱きつき痕”。
低速域の微振動の原因が分かったが当然最新のピストン交換。
幸いシリンダー、クランク、クラッチ、ミッション等点検すると異常なかった。

サイレンサーもOH。


オイル漏れの原因はクラッチケースカバーの亀裂。
大きな亀裂ではなかったのでデブコンで修正。ガスケット、シール関係交換。

追記

やはり、オイルがにじむので結局、クラッチケースを交換する事になった。それに伴い

ガバナー、ウォーターポンプもOH、整備の実施。

ジェネレーター、パワーバルブ分解、点検、清掃、シール等交換。


ラジエターホースは経年からも危険なので交換。

キャブレターは全くおかしなセッテングなのでこのエンジンの最新のオリジナルセッテングに変更。
ついでに現在に合わせてより低速を太らすべくファインチューニングを施した。
余談
こういうのが正規の価値です。

 

サスを分解。

シム構成を点検修正、オリジナルとした。当然、清掃、オイル交換。
ステアリングッヘッド分解、グリスを入れ替えてシール交換。
リンクも分解して摩耗、錆のあるベアリング、シール、グリス交換。
ホィールベアリング、カラー、シール交換等の整備を行った。
当然、ブレーキ、クラッチサーキットも同様です。


尚、チェーン、スプロケットの状態が良いのでしばらく交換の必要はない。
後は電装品も同じく整備しますが引き取り費用、試運転費用などを加えると「下取り金額+整備&部品費用等=ホボ販売予定金額」と、すでになった。
利益はないが、ま、お渡しするときは完全な状態にします。


この個体、正規輸入元にて整備認定された中古車となりましたので当然後々のサービス(部品等)も大丈夫です。

 

そんな2007年式tm125EN 前後オーリンスヴァージョン整備済み。
¥360.000(送、税別)整備内容からお買い得だと思う。


更に社外ですがラジエターガード、フレームガードが付属しております。
つまり、マシンとしての中身、機能、性能は新品同様です。しかし、オフロードバイクゆえに外装は傷、汚れ、剥がれ、くすみ等があります。
外装、デカール等の交換をお望みであればご相談ください。(実費)

数日中に画像等をアップします。