2017tm144EN インプレッション

インプレの前に144の歴史、成り立ちから。
世界戦において2T125と4T250は同じクラスを戦います。
しかし、ご存知の様に現在4T250の圧倒的なパフォーマンスから2T125では全く勝負にならないのは容易に想像がつきます。
また実際もそうでした。

しかし、2Tを無くすわけには行きません。そこで各メーカーの負担を少なく尚パフォーマンスを向上させるのは如何する?

ボアアップによる排気量アップが最も近道になります。
結果、tm以外のメーカーは2T125のボアを広げて150としたマシンを4T250に対抗させたのです。


何故144か?
コストを掛けずにパフォーマンスを上げる(ボアアップ)のは良いのですが限度はあります。特にフィールがガサツになったり、特性が悪くなったりしますので150が上限といえます。

 

但し、他車とは違ってtmの場合、安易にボアだけ広げるなどという手法ではなくボア&ストロークを専用と全くコストを度外視した“新設計エンジン”なのは何度もお知らせしています。


勿論、ベースは125なのは間違いありませんが専用設計という強みはライディングの質の高さにつながり、エンジンフィールそしてパワーとのバランスが見事なまでの逸品中の逸品。

クランクケース、シリンダー、クランク、ヘッド、ピストン、チャンバー、CDIまでも144専用品とし結果得られたフィールは緻密でスムースであり、そして僅か19㏄拡大とは思えないパワーと期待を超えるパフォーマンスを発揮しました。


 繰り返しますが単なるボアアップマシンとはそのスムースな回転、パワーデリバリー、質感は比べるまでもありません。

 

して、2007年からモトクロスモデルを、して2008年にはtm144エンデューロを発表。
このtm144ENに対して弊社は“日本人の為のマシン”と、述べてきました。

余談

弊社は世界に先駆けて144ENを2007年から特注にて制作してきました。


 車重、外観も125そのままでありながらその高いパフォーマンスを見せつけました。特に低速から中低速の力感は“目から鱗”状態と当時から理想のマシンそのものと言えました。


ただ、125と違ったのは高回転の伸び、切れ、パワーです。

確かにtm125と比べるとtm125に軍配がありました。


言い方を変えるならトルク型の144。
高回転は125と明確にそのキャラクター違いと言えるでしょう。


補足
125とて他車と比べるなら低速に問題などありません。また、144とて高回転に不足もない。
ただ、比べる相手が共にtm同士だから言えるのです。

そう、それぞれ出来の良いが故の悩み?

して、2013年モデルからTMEES(tm電子制御パワーバルブシステム)が使用され更に
緻密、綿密で豊かなフィール+125に匹敵する高回転を実現。
更に15モデルに大きくモデファイされたエンジンはよりレーシーにと変貌してきました。


そう、tm125のフィールに近くなった。(ちょっと安易な表現ですが・・)
更に16モデルでは更にシリンダーの変更からそのフィールは加速されました。


もはや144はトルク型で扱いやすく、乗り易いマシンというより144㏄の純粋なレーシングマシンと進化してきたのです。

勘違いしないでください。

決して144初期の低速、中低速がなくなったのではないのです。125に匹敵する高回転の伸びを得た事によって感じた錯覚。落ち着いたスロットルワークを心掛ければ明白。回るからつい開けてしまうのでしょうね。


 当たり前に低速~中低速は125を超える。
しかし、それより中速から高速に至るパフォーマンスは低速だの乗り易いレベルを超えて“tmレーシング社の考える144のレーサー”として進化、発展してきました。

 

さて、そんな17tm144は果たしてどのようなフィールなのか?どう変わったのか?

250同様にサスペンションセッテングもエンジンも標準のままで走行開始。


やはり125と同じ重さ、車格ですから250から見ると更に軽さが際立ちます。
その為でしょうか、フォークが250より固く感じる?
もしかして空気圧間違えた?


余談
そう感じるほど固く、また、砂利(しまった)ではフロントが逃げるよう。って言いますかフロントの限界が低く滑る感じ。
タイヤにもよりますが。
このフロントが逃げる。また、滑るのは危険ですが実はtmって大丈夫です。と、いうか挙動が鈍感なので意外と安心して対応可能で余裕をもって対処できます。

 

しかし、やはり、手に来る固さを感じます。もしかしてダンピング調整間違えた?
位の勢いでしたのでさすがに圧を2クリック抜いた。
するとどうでしょう!!!!
まさしく私素晴らしいフィールとなりました!


しっとり、しなやかと表現するのは大袈裟ですが、新車なのにあたかもチューニングサスの様に動きます。
と、言うのも250と144ではサスは同じですがバネレートが違います。でもその違い以上に車重の影響がある。


余談
tmのサスはtmオリジナルセッテングですから、最初からチューニングサスと言えますが。

また、Rショックは250では伸びを2クリック強めて私には良くなりましたが、144は別に不満は感じない。

やはり、車重の違いからでしょう。


250同様に動きというかあたりはソフトでしなやかととても上質感を感じるのは同じ。
そう、250から感じたショックのモデファイですが144にても同じです。明らかに初期から作動性能がスムースにフリクションを感じなくなっております。


結構、違いますね。TTXは判りませんが従来のオーリンスシングルに遜色はオフでは感じません。

してエンジンである。
確かに湿度はないが気温が25℃もある日でしたがキャブレーションには全く不満不足はない。


そう、エンジンは最初から絶好調!
して、素晴らしき快音!!!
250の迫力とは違いますが乗り手の心にダイレクトにtmミュージックを響かせてくれます。だからつい余分にブリッピングをしてしまう・・。

 

正直、16モデルとの違いを述べよ!
と、言われてもよく判らないが力感というか、全体にスムース&トルクが太く、フラット化が進んだ。と、感じます。


理由はシフト回数が少ない。
また、シフトミスしても大きく待つこともない。それは250から乗り換えても力感に遜色を感じないと、言いますかスムースに立ち上がりますからより感じます。


ま、機会を見つけて乗り比べてみますがクランクシールのフリクションが減ったというならそうかもしれません。


250もそうです。

TMEES装備から抜群のアイドリングの安定感を見せますが、より低回転での負荷をかけた時スムースに感じます。

以前144を評しても“意のまま”という表現を使ったが、250の後ではその評価はちょっと変わる。


車体の動きというか制御は軽い250を更にしのぐ144です。
また、低速から中速の力感から確かに思うままに走らせるという部分では“意のまま感”が、半端なく高いマシンです。

 

しかし、先に250の存在理由と言ったのは実はここにあります。
路面状況によってパワーを食われる場所、また、ライダーが疲れた状態になるとやはり排気量が大きな250に軍配が上がります。


それは何より250とて非常にマシンが軽く、トルクにも余裕がありますからミスに更に寛大です。
更に絶対的な重量は250の方が有りますが、若干足つき性能が250の方が良い為もあり、我々(オジサン)には250の方が更に楽できる?

 

ただ、144の痛快な速さ、軽さはとても、とても魅力的です。
ドンドン、開けて走れます。
と、言うか“攻める走り”が、したくなる。攻めたい!
tmミュージックに酔いしれながらアクセルを開け、ガツンとブレーキを効かせ、ドンと壁やバンクにぶつけてコーナーを回り、ギャップや轍に合わせて飛ぶ。そんな走りがたまらなく面白い!

 

と、とにかく“やんちゃに走る”なら144は最高でしょう。
125のその部分では負ける事などありえませんが144は125から見るとやはりトルク、パワー共に余裕がある分より愉しめます。(オジサンには?)

勿論、250でも同じですが、超上級者や現役レーサーなら別ですが、そんな走りはやはりパワーに振り回される?と、いうか速すぎますからついトルクに任せてしまいます。
同じ場所を“何を焦って?”くらいの余裕で走るのが250にはよく似合う。

 

総括
高い操縦安定性、路面状況を触っているが如く感じる接地感、強力無比で自在なコントロールを実現するブレーキはtmの共通点として皆さんもご存じでしょうが、それに支えられたライディングの質の高さは排気量の括りなくtmだけの世界だと言える。

同じ場所を走る、愉しむことはtmでなくとも可能。また速い遅いも乗り手で決まる部分が多い。
じゃ、何が違う?
と、いうならずばり、質の高さと面白さ!


そう、tmで走るライディングの質の高さは群を抜いている。そして正に“歓び”でしょう。
tmだから愉しい、愉しめる。
tmだから乗りたい。tmに乗りたい。乗るならtm。
tmは大丈夫。tmは安全で何より面白い。

 

さて250にも装備されるTMEESなど本来余裕ある250に等必要ない装備なのか?


いいえ、tmの質の高さの一因と言えるTMEES。
今や125、144には必要不可欠な装備ですが、余裕ある250には必要なのか?というよりだからこそ更にフィール、質を高めるに必要な装備なのは乗れば確認できます。
また、シフトポジションションセンサーが実現した低いギャーでのトラクションコントロール(250以上)もそうです。


これらによって全域フラットというべき驚く特性は更にライディングの質、安定感、安全性を高めております。

tmを知らない方が言うにはアルミフレームは固いという。また、不思議な事に乗ってもいないのに硬質でスパルタンな乗り味という。

 

で、実際はその軽く高剛性のフレームにtmチューンのサスペンションとtmエンジンとの組み合わせはとても上質であり、高い安全性を実現している。

そう、固いと言われるがtmの高い安全性は輸入車唯一のアルミフレームがあって初めて実現するのです。

 

tmってマシンは“愉しさ”と“安全性”は群を抜いて高いマシンなのは何度も繰り返し語りました。。
して今回、144試乗中そんな安全性、安定感の高さを証明する出来事に出くわした。

 

それはパンク!(しかも、フロントタイヤ)
試乗中のパンクなどこの22年間でも初体験です。

フォークのダンピングをすこし抜いてとても気持ちよくなった私は慣らしというのも、インプレというのもほぼ忘れて“アケアケ状態に突入”


やっぱおもしれ~。と、ガンガン荒れた林道のタイトコーナーを攻めていました。

伐採された枝が散乱している所を抜け、また、粘土質の路面でアップダウンとコーナーが継続する場所を笑いながら攻めていると、何や急にフロントが心もとなくなった?
あれっパンク?
と、思いましたがペースを落とせば普通に走れます。
でも、やはりおかしいと降りて確認するとフロントがパンクしていました。


修理道具など持っていない。
予定より走っていないが仕方なくそのまま帰ってきました。

でも途中、トレールバイクで林道を走るくらいの速度なら普通に走れる感覚に驚いた!

 

幸いにも今までtmでパンクして走った経験はありませんが、以前他機種でレース中と林道遊びの最中にフロントがパンク。
レース中の時は修理して走りましたが林道でのパンクの時はそのまま走ると不安定でとても走りにくかった記憶があります!
勿論、タイヤの違いはありますが。

tmの安定感というか安全性。正に比類なき!

 

あとがき
前回250のインプレに対して“インプレと、言うより好き者が自分のバイクを褒めているみたいだよ。”
なんて言われました。確かにそうですが、私は褒め言葉として受け取りました。


何故なら、それでよいと思っているから。また、感じた事しか言っていないから。
まして自分の商品を評価できない。判らないままで紹介するのは無責任だと思いますから、試乗せずにいられません。

 

何より、乗ってみたい!
それぐらいtmって刺激的であり、魅力的であるからです。
今までtm96年モデルから数えてtm一筋22年間、毎年ニューモデルが出るたび同じ事を、その年のマシン試乗を繰り返し皆さんに報告する事が出来ました。

 

今では日本での外車オフロードの世界にて一社が一機種22年継続しているのはtmと弊社だけです。
この実績と経験は弊社の財産であり大きな信用です。

そんな大きな信用をtmオーナー様より頂きました。
いいえ、今も継続していただいています。
22年という歴史そのものが弊社のインプレも間違っていない事を証明していると考えています。

そして最後に弊社はtmと共に22年。そして設立30年、tm社設立40周年を迎える事が出来ました。