OH


8月に入ってからは例年と同じく世にいう“ニッパチなのか暇”でしたが、お盆が終わると随分と様子が変わってきた。
レースが近い為でしょうか、うれしくも連日整備依頼と部品注文が重なります。

それはそれでありがたく整備、部品発送をさせていただいていますが追加整備が重なり今更ながらちょっと気が付いた事がある。

 

例えば現役時代自分のバイクなら走行毎に洗車、清掃、注油、破損があれば部位の部品交換といった軽整備は自然にしていた。
当然、サスペンションの調整やキャブレターのセッテングもしかり。 


それは自分のマシンですから完璧状態を維持する事でマシンハンデを無くし、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
仕事用マシン(試乗車)なら使用する事でそのマシンの良い部分、もしあるとしたら悪い部分、そしてより良くする為の情報を得るためのいわばテスト用の車両ですから手間暇は関係なく整備は必須です。


また、走行毎の洗車、整備、調整、注油、清掃を次のレース、走行時の準備でした。
tmになってからは特に壊れる事もなく、まして自然に大きく壊れた記憶もない。

つまり、壊さない限り大きな整備はありませんでした。

 

オフロードバイクは消耗品の塊。
また、未知の山に出かける冒険の為のマシンですから途中のトラブルが何より怖い。しかし、泥や砂や埃の中、しかもアップダウンもある不整地で使用とその消耗具合は計り知れない。

ですから普段から整備は必須なのも当たり前。

 

以前にも述べましたがダート走行のマシン消耗度は舗装の10倍、レース使用になると更に10倍と例えられています。
つまり、エンデューロレース(世界選手権)であれば大体一日200~300km戦います。舗装走行でいうなら20000~30000km走行に匹敵。

それがISDEなどは大体6日間にて1800km走行しますのでターマック走行180000kmに相当する訳です。
つまり、レース後は整備が、ISDEが終わればOHは当たり前でしょう。

 

でも、レースように短い期間で距離を重ねるより、短い距離でも走行後手当てもなく放置されると痛み度合い違うのは多分皆さんも知っておられるでしょう。


だからと言って普段仕事をしておられる一般の方が乗る度の整備をされる、できる方ばかりとは限らない。


ですから、どこか調子が悪くなってからの整備が普通で、また判りますが、消耗品の塊であるダートバイクの整備は定期的に全体を見てOHをされたほうが結果的に安く済みますよ。と、感じた話です。

と、前置きが長すぎですが。

 

それは初代アルミフレームである08は144のドライブスプロケットシールからのオイル漏れ修理の依頼を受けたのが始まり。
この個体は基本山遊び主体ですがレースマーシャル使用とレースでの使用は少ないが結構使われ方はハード。
また、複数のtmをお持ちですので一台当たりの負担は多くはありません。使用時間としては10年目の個体。幸いにもユーザー様が弊社近郊なので細々の整備してきましたが大きな整備はありませんでした。

 

まず、チェーン、ドライブスプロケットを外してシール、オーリング、カラーをお約束の様に3点セットで交換。
すると、チェーンの摩耗が相当進んでいますと、いうか完全に寿命です。
当然、スプロケットも!チェーンガイドも摩耗限度。


また、ハブシールのリップが破損していた。
一応、ユーザー様に確認すると“交換しておいて、ついでに悪い場所があれば修理して”と、言う依頼を頂いた。

交換後の引き渡し前に試運転するとエンジンは幸いに異音もなく絶好調でパワーダウン等も感じられないがクラッチ、ブレーキに不安が見つかった。


何より、ブレーキが甘い。
今すぐ、トラブルはないでしょうが、更にクラッチのつながりが唐突、しかも遊びが無い。

して、まもなく引き取りに見えられたので一応その旨を伝えると、“じゃ直しておいて”と、再度改めて整備依頼。
すると予想どうりクラッチバスケット、クラッチプレート、フリクションプレート等の摩耗が見つかった。


それらを交換、クラッチポンプ、シリンダーをサービスにてOH。
ブレーキはキャリパーの動きが悪いのが原因、これもサービスにてスライド、ガイドピンを清掃注油。

ついでにブレーキフルード交換を行った。

以上で整備は完成しすべて正常となりました。

他には問題ないようですがハブベアリング、リンク、ステアリングヘッドなども本来点検が必要なのは明白です。

 

また、部品のご注文です。
同じ車体番号で数日おきに違う部位の部品注文を頂けるのが重なります。
きっと弊社と同じ様に整備依頼から次から次に整備が必要な部位が出てくるのが想像できます。
輸入元である弊社であれば部品在庫から先の修理なら1日で完成できるが、部品を送る場合はその時間が余分になる。

お客様にも予算もあるでしょう。また、時間の問題もありますがダートバイクの整備は定期的に全体を点検、試運転後の整備依頼されたほうが効率的です。


足回りだけならユニットOHが無い場合1日もあれば大丈夫。

つまり、お客様にはよりお安くご利用可能になります。また、予算をお知らせいただけると更にお得だと思います。

 

余談
10年以上、整備されない個体も沢山見かけます。また、ピストンリングは交換してもピストン交換されないでエンジンからカラカラ音が出ている中古車の多いのには心が痛みます。


いくらtmが丈夫でもダートバイクである以上整備は必須です。