愛すべき機械たち

先日、自家用車を変更したお話をしましたが実は不思議というか、何とも愛おしいと言いますか、胸キュンな事が起こりました。

 

それは新しい車を購入するに出かけた時に始まった。

商談の前にトイレに。と、思い立ち上がりざまポケットからキーホルダーを取り出した所、ポトンと何かが落ちた!
?と、思いホルダーを見ると根元から連結部分が折れたキーレスのリモコンだった。
こんなところが折れる。と、言いますか切れる?いやいや、これはやはり入れ替え時期だな~。
と、正直感じた。

 

それまでの車は欲しい人があればあげようか?なんて思いながら納車までの間、普段と同じ様に毎週2~300㎞程元気に走っていました。
2週間ほどたって納車になったのでそろそろ売るにしても、処分するにしても?と、取りあえず清掃を行った。


その時までは普通にエンジンも掛かったし、なにも異常はなかった。

ただ数日は納車になった車とのコミニュケ―ションを取っていた。

して、その数日後
移動の為にエンジンを始動しようとするがスターター起動時の音がなにやらいつもと違う音に気が付いた。

また、エンジンは始動しなかった。


????と、思い何度か試すもエンジンは沈黙状態。
タイミングベルト切れた?
と、なんとなくそんな気がしてオイルフィーラーキャップを外してスターターモーターを回して確認するとやはりカムシャフトは回っていなかった!

 

この車、機械的には新車から11年間、約95000㎞を全くノントラブルで過ごしてきた。
エンジンもミッションなど全く調子が良く足代わり、最低限のメンテで後は乗りっぱなしと実用車として完璧でした。


しかも乗って愉しく、長いツーリングでも、それが真冬、吹雪のツーリングでもサイズから想像もできない位素晴らしく例えようのない安定感、安心感、そして全く疲れない車でとても気に入っていた。
ですから、今一度車検を取るか?
とも、考えていたが縁があって今の車を購入、処分すると決まったとたんにトラブル発生というか、いかにも“自分の役目が終わった”って言う感覚を車から受けて何やら生き物に対するような愛情というか想いを感じている。


もしかしたらキー・レスリモコンが落ちるという事が“もう、引退したい”と、いう車からのメッセージだったのかも。

偶然というなら偶然。また、確かにタイミングベルトなど8~9年で交換するのが本来当たり前。(じつはすっかり忘れていた!)
それをしていなかった自分が悪いのは明白、さらに交換すれば直りますから思う程大きな話では無いが何やら機械に対してですが何やら“ごめん&ありがとう”って言った感覚を覚えています。

 

そんな出来事から以前にも同じような出来事があったのをこのお盆休みの合間に思い出していた。
今、ちょうどあちこちで“ラリー”が開催されていますが、昔インカラリーに出場した際です。
その際に使用した車両は2T350でしたが、その車両に装備されているイグニションシステム、エンジン本体など結構トラブルの多い機種でしたので正直耐久性に結構不安を覚えていました。


ですから、実は毎朝スタート前には“頼むよ。今日も”と、語りかけながらスタートしていましたが、そんな心配をよそにマシンは快調でした。

しかし、高度4000mに近い塩湖の脇を飛ばしている時です。
一瞬、他に気を取られて大転倒。


幸いマシンには大きなダメージもなく、体にもその時は異常を感じませんでしたがすぐに肋骨に痛みを覚え始めた。

その痛みの程度から肋骨にひびが入ったのが判りましたがレースはまだ半分に満たない。
でも、コルセットを巻くと何とか走れます。

また、ほとんど気にならない程度に感じました。

しかしその後、体よりレースも終盤に入るとマシンのヤレがどんどん目につきだした。特にサスペンションのヘタリが大きく、ダンピングもかなり甘くなってきました。


しかも走る高度によって内圧が変化しサスペンションの動作が“固くなったり、柔らかくなったり”と厳しくなってきました。
だからと言って如何する事も出来ません。

ほぼ毎日、海抜0から4000mの間を上がったりしますからキャブレーションが最も大事になります。だからダンピングやRスプリングを調整するのが関の山。


余談
余りの内圧の変化に耐えかねてサスペンション(フォーク)のトップキャップにドリルで穴をあけた人もいた位ですから高地ではフォークが如何に固く、動かなくなるのがお判りでしょう。

そんな中、一番きつかったのが正確な高度は忘れましたが海抜から3000m以上高地を上がり下がりしながら永遠とギャップが数百㎞に渡って続くコースでの出来事です。

 

高地ではサスペンション内部の内圧が上がり、サスペンションが異常に固くなるのは述べましたがその中、特に満タンにすると本来上下に動くサスがリジットの様になり左右に振られるといいますか、横方向にマシンが弾かれるような状態になる。

それに加えて永遠とギャップが続くのです。


余りにも継続する衝撃に耐えかねてマップケースの蓋が飛び、マップも飛んでいきました。
また、一つ一つのギャップに対しても腕に衝撃が来ますからその痛みもひどく“休みたい誘惑”と戦いながら走っている状態ですから、一回止まれば多分気力も集中力も切れます。
ですから止まってマップを回収する事もしなかった。

もしかしたらその気力すらないのかもしれませんがその中、唯一知っている“お経”の般若心経が浮かんだ。
するとやがて、うまく言えませんが“何やら守られている感覚”に包まれたのです。


しかも、マシンがスムースに、ギャップが小さくなったように走るではありませんか!
錯覚?もしくはランナーズ・ハイの状態だったのかもしれませんが、あの時のマシンの力強さというか、何か機械は絶対大丈夫という意識ははっきりしています。

また、今も鮮明に覚えています。

 

何やらオカルトチックな話ですが、また、信じたい気持ちからもあるでしょうがそんな人間チックな機械って本当に素敵です。