グリース

新しくtmユーザーになられた方から“tm Japanが使っている。お勧めするグリースは?”と、言う質問を毎年必ず頂く。

大体は個別にお知らせして終了ですが、ちょっと衝撃的なことを体感したので改めて報告。

と、いう事でグリースについて与太話を一つ。

先にお断りするが、基本グリースには全く頓着、こだわりはありません。使用部位の確認だけで正直というか、乱暴に言うなら“グリース等なんでもOK”くらいのノリで“ちょう度がどう?”なんて以前は気にしたこともないが改めてグリースの重要性というのか?効能というか?効果の違いに驚いた報告です。

 

尚、これから紹介するグリースは弊社が新車組み立て、通常整備に使用して感じた部分を紹介していますがこれ以上のグリースも他にも存在するでしょう。

ですからこれが絶対という話ではありません。


また、別にメーカーの宣伝をするつもりもない。ただ、自分で整備するにあたり如何してよいのか?グリースは何を使用したらよいのか?と、いう疑問に対するお答え、例として紹介しています。

さて、画像左はベルレイの耐水グリース
実はベルレイがtmのスポンサー時代から本社での組み立てにて使用されています。

以来、8年以上にわたって弊社も継続使用しています。

長年使用して気が付いたのが“少量でOK”な部分。


そしてベアリング(ステアリングヘッドBG、リンクBG)の寿命というか錆、摩耗も含めて以前使っていたグリースとは結構違うのを感じています。


以前モリブデン入りとかだったと思いますが比較するというか、肌感覚でベアリング、カラーの錆が少ない。

つまり、きちんと“耐水”している。

また、ヘッドベアリング、リンクベアリングの交換頻度は減ってきました。


そう、耐水グリースとしての機能をきちんと果たしているという事だと思う。
ただ、動きが如何とか?までは正直判りませんが、少々固めでオフロードバイクの整備には使いやすい。


価格は454gで2300円と高価ですが、一個あれば通常のライダーなら数年は大丈夫でしょう。
と、いう事でベルレイ耐水グリースはお勧めです。

 

して、もう一方のチューブのグリース(写真右)はフォークメンテ時にオイルシールですとか、ダストシール、メタルの組み立て時に塗布専用グリースでオメガ77という商品。

 

まずはフォークにグリ―ス使用の思い出。
以前、tm+オーリンスフォークが主流の時、フォークにトラブルが発生した。


そのトラブルというのは“フォークが動かない”と、言うとんでもない事態です。
そう、あの上質で滑らかな作動を誇るオーリンスフォークが動かない。

突っ張ったよう、張り付いたように全く動かなくなった。


しかも最初は海外レースにマシンを輸送、受け取り、各部を点検していて気が付いた。


今思い出してもぞっとします。
レーススタート前日、しかも外国(タイ)ですからフォークを分解点検するすべもなくダンピングを抜くと、いう乱暴な手法でレースに臨んだ。
して、最終日の前日シールが抜けても良いと潤滑スプレーをインナーに塗付したところ改善はしたが、時すでに遅し!

 

その張り付いて動かなかった原因が“シリコングリース”。
レース前という事でダストシールの内側にシリコングリースを塗り込んだが、このシリコングリースとオイルシールというかフォークとの相性が悪かったのか?
また、船済み移動約一か月の間フォークを沈めて固定したのも一因でしょう。


余談
後日イタリアにてオーリンス専用グリースを入手。

勿論、そのグリースは当然全く問題なく、その違い、影響の大きに驚いた記憶があります。

 

また、パイオリ、マルゾッキの場合、弊社では組み立て時には一般的に売られているシリコングリースにて組み込んでいました。

シリコンスプレー塗付との記憶あった。してパイオリでは問題なく感じていたのがなぜかマルゾッキに使用すると全く動かないフォークが出来上がりました。


 オイルシールの材質、もしくはクリアランスとのマッチングでしょうか?
いずれにしてもグリース(潤滑剤)によってはフォーク(サスペンション)が動かなくなったのは実体験しています。

 

証拠
現在のマルゾッキのオイルシールには“専用グリース”が封入されている。
そう、この事からでも弊社が社外部品を推奨しない、使えない理由の一つなのがお分かりだと思う。
ただのバイクならいざ知らず、エンデューロレーサーtmの性能を発揮できるのは純正部品しかない。社外で走るレベルのマシンではない。ましてよくなるはずもない。


以来、フォークに塗り込むのは指定グリースもしくはサスペンションフルード。

分解時には純正部品というのが弊社の決まり事。

 

先日、フォーク専用グリースというオメガ77という商品をサンプルとして頂きました。
正直、フォーク専用といっても?と、懐疑的でした。

そう、今まで述べたように“フォーク+シリコングリース”には散々痛い思いをしてきたからです。
して、ダメ元で恐る恐る新車(試乗車)に塗ってみました。


すると、特に違和感が無いのです。
ま、良くも悪くも感じない。確かに比べる物もありませんし、2台試乗車があってもそれぞれフォークの潤滑剤を変える事もしなかったが、半年継続していますが全く問題がない。


それまでフルード塗付同じ。つまり、普通?と、いう事は別にグリースを購入してまで使う事もない訳です。

 

でも、ちょっと違うのはその“持ち”
フルード塗付すると明確に動きがスムースになりますが2回くらい乗るとなんとなく悪くなるように感じます。
しかし、このオメガを塗付すると時間経過に伴って動きが悪くなるという感覚が無い。

ま、いずれにしてもこの程度で、特に気が付くことも無かったのですが先日フォークを分解した際にリップに塗り込んで組み付けたマシンから素晴らしく上質な快感を覚えびっくりした。

 

と、言うのは。
96年型tm250のフォークはご存知マルゾッキマグナム45という往年の名機が装着されています。たまたま20年も前のマシンのフォークにてそのオメガの効果を感じられました。
まず、その経緯から。

 

一昨年、ユーザーさんより96tm250を頂きエンジン以外はすべてOHしてレースに使用した。
確かにtmらしく20年経過しても素晴らしく軽く、そして乗って面白い。さすがtm!って感覚で、とても満足した。
ただセッテングもあるがさすがにフォークというかサスペンションには時代を感じましたがそれは20年も経過した機械ですから現在のマシンと比べる事自体間違い。

 

その後、そのマグナム45のインナーにチタンコートを施したフォークを他のユーザーさんより頂いた。
先の96tm250マシンに頂いたチタンコートフォークをOHして組み込み、さっそく試運転。
すると今も鮮明に覚えていますが、まるで違う動きにびっくり!
上質感+滑らか、スムースの中にピシッとダンピングが効いて“気持ちよさ”満載でした。

何より接地感が素晴らしい。


流石チタン!と、改めてサスペンションの動きの重要さを知りました。その後、人手に渡りましたがあの驚きは今尚鮮明です。


 以前、チタンコートされたフォークを装備した他機種に乗ってチタンコートには特別良いとは思っていませんでしたが今回は衝撃でした。

しかし、つい先日、別個体の96tm250のフォークをOHすることになり組み立てにオメガを使用。
して完成後試乗するとなんとチタンコートされたフォークの動きに全く遜色を感じないではありませんか!

使用するフルードも、油面も同じ。乗り手も場所も同じの中、明らかにオメガを塗付したフォークがチタンに匹敵する動きを見せたのです。


少々、大袈裟かもしれない。
今となればチタンコートと比べる事も出来ないが“たかがグリースだけでこれほど違うのか?”と、実際に感じた結果今回の与太話として報告したくなったのです。

 

いや、グリースで動きが良くなるなら、心地よくなるなら使わない理由はありません。

と、いうか、ここまで影響があるならフォーク用潤滑剤グリースはとっても、とっても大事です。
このオメガ77はお勧めします。


余談
オーリンス専用グリースとの事。思えば以前アンドレアーニから購入したグリースと色とか使用勝手が同じです。

最後にどうしてグリースには種類があるのか?
例えば“オイル”と、言うのは通常ゴムを侵す。つまり、シールというゴム部品を壊す。
ですから、ゴムを侵さない物、例えばブレーキオイルとは一般的には使いますが、正式にはフルードと言います。

また、サスペンションフルードです。
また、ブレーキキャリパー等内部の分解組み立てには専用潤滑剤があります。

世にいうカップグリース等。


しかし、今シリコングリースというゴムを侵さない物で万能を歌う物がありますが、レーサーなどには専用というか適材適所で使い分けたい。

 

ちなみにブレーキキャリパー、ポンプと、言った内部にはラバーとかカップ、シリコングリース。(クラッチ含む)
キャリパーのスライド部分はブレンボ純正グリース(もしくはベルレイ耐水グリース)
レバーの可動部分はレバー付属ブレンボ純正グリース(もしくはベルレイ耐水グリース)
パッドピンにはスレッドコンパウンド
エンジン内部オイルシールには下記の画像のグリースを使用。(以前はシリコングリース)

以上、通常のユーザーさんであればベルレイ耐水グリース、シリコングリース、オメガ77があれば大丈夫でしょう。