先だって初めてtmに乗られた方が下記のようにFBに投稿されました。
以下、その内容の一部。
「そして、何だろう?ブレーキが異常に感じられるくらいに効く。普通にブレンボ、ニッシンの組み合わせなのに俺の○○や他のレーサーが市販車みたい感じてしまう程に差がある。
不思議?足回りのせいか?ローターか、パットが違うのかね?」
と、言った投稿。
「他の市販車と比べる事自体無意味ですが、tmは純レーサーであり貴方が購入したままの状態のtmで世界選手権を走り、優勝できるのがtmと、いうマシン。」
と、何度もお伝えしています。
それは世界の頂点に位置するライダーも市販状態のままで世界戦を戦うマシン故にブレーキに限らず他の部分も“世界戦を戦うマシンとして制作”されていることでもあります。
つまり、他の市販レーサーのようにより高度なレースやライダーの為に”改造もしくは部品変更”等の“チューン”の必要がない。
それはtm社はレーシング・コンストラクターであって市販車のメーカーではないからです。
tmというマシンはエンジンも言うに及ばず車体、サスペンションも世界のトップライダーの要求に沿っており当然ブレーキだって世界のトップライダーの操縦を考えていますから効くのが当たり前。
我々一般ライダーには車体やエンジンの良い、悪いですとかの違いは中々判らなくともブレーキの効く、効かない、止まる、止まらないと、言うのは非常に単純明快に判ります。
そう、ブレーキの性能はごまかし様がなく効くブレーキという部分だけでもそのマシンの血統の良さがわかるのです。
ただ、当然と言えば当然なのですが今まで“tmレベル”未満の市販バイクしか知らない、本当のレーサーのブレーキシステムの経験が無かった為に“ブレーキの違い”など気が付きもしなかった。と、言うところでしょう。
しかし、一度良く効くブレーキを体感と言いますか、tmのブレーキを知ってしまうと他には乗れない。と、よく言われます。
また、ブレーキが良い、効くマシンというのは“速いマシン”の裏返しなのは言うまでもないでしょう。
さてtmは重要かつ妥協のできない部品は自社生産しております。
車体で例えば“ハブ”であり“フレーム”そして“スイングアーム”
エンジンはピストン、ベアリング以外すべて。
4Tも同じですがスロットルボディーは自社生産としております。
Rのショックアブソーバーも現在は自社生産しています。
外部委託部品
キャブレター、発電機、電装品、電子部品、ブレーキポンプ、フロントサスペンションetcが上げられますが、汎用部品をそのまま使用することはなく専用品、セットアップ、tm社自身がデザイン、チューンして仕上げられております。
ブレーキローターは2009年までは自社で生産しておりましたがtmの要求レベルのローターが見つかり2010年から現在はブレーキング社に特注にて生産を委託。
以下はtmの装備されたローターの歴史。
弊社がtmの輸入を手掛けた96年モデルは自社製260㎜フル・フローティングフロントブレーキローター。Rは210㎜のローター装備。
98年よりFは270㎜ローターにサイズアップ。
以来2009年までは“フルフローテング”方式を採用、ローターブラケット、フローテングカラーまで自社生産でした。
また、1998年よりの大径270㎜ローターの採用継続。そう、もっともこの大径ローターを採用したのもtmが市販では最初。
ちなみにtmのRローターは245(正確には244)㎜ローターを2001年から採用。
して2010よりシャープで強大なストッピングパワーを得るために異形ローターを採用。
同時にフロントはセミ・フローティング化に伴い前後ローターをブレーキング社に製造委託。
2015より、さらなる軽量化の為にフローテングから現在のソリッドマウントとして一層の軽量化図りました。


尚、2014年ブレーキホースの軽量化と高剛性化を達成。これによってよりリニアなブレーキフィールを得ます。
そしてパットです。
当然、ローター材質、デザインもそうですがtmが考える制動性能の為に吟味した材質です。15~16の現在であればブレンボ純正装着のオーガニックの他にブレンボオリジナルレーシングパットがオプション。
ですから、社外の安物を使用すると“パットは新しいのにブレーキが効かない”と、言う場面も多々あります。
余談
試乗されてtmのブレーキが効くという意識を持てない場合は間違いなく社外パッド使用か、パット、ローターの摩耗。もしくはどこかに異常があります。
パットに限らず大事な部品は安いだけの社外部品などで性能、耐久性は維持できません。つまり、tmは部品一つもごまかせるマシンではないのです。
そのあたりを今一度、ユーザーさんもご理解ください。
安い+社外部品=危険+結果高価という公式になります。
tmのブレーキが効く。また、ブレーキング時の安定感は文句なく素晴らしい
そんな評価が高いのは軽くて剛性の高いフレームと、高度なサスペンションも忘れてはならない要素。
いくらブレーキが止まろうとしてもフォークがよれたり、フレームがしなっては全く意味がないのです。
そう、一見同じブレーキシステムだとしても、ブレーキが効かないのは車体やサスペンション、ブレーキシステム自体が手抜き、もしくは弱い。
言い方を変えると車体に問題があったり、弱いから高度なブレーキを使えない。の、かもしれませんが。
いずれにしても、“シャーシは常にエンジンより速く、強くなければならない”のが王道のセオリーであり、当然の話。
ですからtmのブレーキが強大なストッピングパワー、コントローラブルを持っていて当たり前。つまり、tmにとっては特に指摘される話では無いのです。
効かないブレーキ?と、言う物はtmの辞書の中にあるはずもない。
何故ならパワーのないエンジン同様に効かないブレーキなんてレーサーには有得ないのです。