リクエスト話!

 以前アップしたものですが、掲載依頼がありましたので若干加筆の上、再アップいたします。暫くは削除いたしません。

サスペンションの調整。使用オイル。キャブレターセッテング等々であるが、雑誌記事が何年か毎に同じ内容になるのを思わず思い出したくらい。おかげさまで時と共にユーザーさんが増える結果「同じ話しを繰り返す」事が必要になるのですね。ということで今回はチョット大事な話です。と本人はそう思っています。

サスペンション&キャブレターのセットアップというのは基本的にライダー、走行状況によって変化、また万人に合う基準はありません。その車両を使用する状況という部分でセットされているのが標準となります。また、最大公約数的ともいえます。が通常の一般向け、一般車両の話でス。しかし、例えばtmという車両に装備されるサスペンションというのはtm用であって汎用をポン付けという安易なものではありません。それはtmというエンデューロマシンの味付けといいますかtmの考えるエンデューロマシンを具体化したものです。その証拠にtmモーターサイクルに装備されておりますマルゾッキUSD50はマルゾッキ社の同一名称の汎用、一般スペンションのマニュアルの内容がダンパー基準、使用油脂、セット数値とはかけ離れた状況です。それはオーリンスでも同じ。ですから市販車輌ですとか、他社のフォークは?という話は最初から次元が異なります。故に他車のはこうだ!あーだ。と比較されたい方がおいでになりますが基準も水準も異なりますので無意味です。

同様にキャブレターのセッテングもライダーのレベル、機関の状態によって異なるのは当たり前。特にレーシングエンジンの場合は。例えば12000rpm回るエンジンを10000rpmしか使用しない人も居れば、常時12000rpm使う人。さらにスロットルを即全開にする人も居れば、ゆっくりと回転に応じたスロットルワークをされる方がおいでになる。つまり、厳密に言うとキャブレターセッテングも乗り手で本来変更されるべき物です。現在のインジェクションは気温や湿度、乗り手の癖等それらを全部ひっくるめて制御しますから、もうこの部分は時代錯誤の話になるかもしれませんがtmは現時点でキャブですので。

さて、最初の話として例えば、オーリンスUSD48というフォークの場合、標準状態で乗られるライダーは殆どおいでになりません。反面、マルゾッキUSD50の場合は比較的標準の状態で乗られる方が多い。

いずれもセットアップスタートは標準状態であってそこから始まります。

標準では「固い」と一般的に言われたとしますが、それでダンパーで弱くする状況にすると例として「振られる」場面もあります。変更した結果、振られるわけですから、振られなかった標準が基準であり正解といえます。しかし、ライダーの要求がメーカーの考える車両、セットアップと大きくかけ離れる場合もライダーによって発生します。その妥協点、ライダーとのマッチングポイントを見出すわけです。

特に車両が高度でライダーのレベルが低い場合は大変で難しくなります。その反対はライダーが自分の能力を調整できますから簡単。

余談

セッテングもそうですがマシンが何時も汚く、チェーンも伸びてそのままと言った各部の調整も、セットアップもしないのか?出来ないのか?は別としてもこの様な方は上手くも速くもありません。しかし、頻繁にマシンを壊す。また、壊しても“壊れた”と言います。

これ、例外無く、古今東西変わりません。

さて、標準値を知らせてという話も良くあるご質問ですが、サスペンション自体が正常?という部分も大事な要素。つまり、走行に応じたOH等の手当てがされているか?また、使用されるフルードの粘度係数、リンクの整備状況によっても変化します。つまり、錆びたリンクベアリング、劣化したサスペンションフルードではまともなセッテングは不可能です。

また、闇雲にサスペンションユニットのダイアルを極端に最強もしくは最弱まで回してしまいますと構造的にそれ以後、調整不可能になる場合もありますから、万一の場合はオーバーホールという手当ても必要になります。

実際、ユーザーもしくはその友人の方々が調整をしてから、何が何だがわからなくなった。セッテングが出ない。という実例が非常に多く見受けられます。この場合はユニットの調整範囲を超えて調整した結果、ユニット自体に損傷が発生。通常メーカー標準から5クリック以上の変更は余りありません。また、弱めることはあっても強くする状況はありえないといっても過言ではありません。

一例

調整、手当てしたが、フロントはリジットのように重く、動かない。リヤはヒョコヒョコと動きすぎ。で何とかして!という依頼。

乗ると「如何したらこうなるの?」&「どの様な症状からこうしたの?」と思うほど酷く、その最初の状況を尋ねました。「フロントが安定しない」という答え。確認するとフォークのダンパーが圧、伸びともほぼ最強。Rは伸びがまったく減衰していない。

次の手当てを行った。

Rは伸びを数クリックと圧を1ないし2クリック標準から強めた。

Fは伸びを標準の戻し、圧を標準から3クリック弱めて正解に近い状態になった。

きちんと手当てされているとして。

tmオーリンスUSD48の調整範囲は圧、伸び共に28クリックであり、標準は最弱から15クリック戻し。

オフロード(林道程度)の場合は圧を最弱から8ないし10クリック戻し。伸びは10ないし12クリック同様に戻し。で大体の方が満足されますが、モタードの場合、伸びはそのまま15クリック(標準)。圧を13クリック戻しが一般走行では推奨します。

ちなみにオーリンスUSD48の場合はフォーク上部が伸びダンパー調整。フォーク下部が圧側ダンパー調整。

tmのマルゾッキUSD50の場合はフォーク上部が圧ダンパー調整。フォーク下部が伸側ダンパー調整。となります。マルゾッキは殆どの方の場合、標準状態もしくは1ないし2クリックの増減でOKだと思います。

尚、Rサスに関しましては伸びの調整程度で圧(特に高速側)は調整する事は目だって多くは無いと思いますが、ハイスピード、サーキット、大ジャンプが多い方はこの限りでもありません。オーリンスの場合、伸びは50から60クリック動きますので中間30クリック程度からはじめます。圧は28クリック程度動き調整範囲ですが圧は最弱から15前後 伸びは同じく際弱から30クリック前後が標準です。

オーリンスRショックの場合、くれぐれも重要なのは最弱以降クリック感がなくなるまでまわしますと壊れる場合もあります。ご注意願います。

また、tmに採用されているオーリンスリヤショックは圧ダンパー調整によって、伸びダンパーも同様に変化、調整が自動的に行われます。よってユニット下部の伸び調整はその補助とお考えください。(TT−X以外)

尚、サスペンションセッテングはバイク全体を押して、沈むスピードより戻るスピードが遅いのがセオリーです。

また、伸び(戻り)が強すぎるとマシンが重く感じます。同時に切り返しが重く、軽快感がなくなります。また、全てにオーバーダンピング状態の場合も同様に重くなります。

一般的に最も多い「ハンドルが振られる」「リヤが出る。すべる」というのはフロントの圧ダンパーが弱い。リヤの伸びが早い。のどちらか?もしくは両方の原因があります。以上がもっとも多い質問ですので参考にしてください。ただし、ライダーのポジション、レベル、スロットルワーク、乗り方も大いに関係します。

更に、「固い」というのは反対にスプリングがソフトすぎても発生します。また、ダンパーが弱くとも同じように感じる場合もあります。(動きすぎ、入りすぎ、戻りすぎの結果、底付き状態)

外国製ダンパーというのは一般的にアタリが出るまで時間が必要と考えても良いと思います。特に現在のツインチャンバー式のフォークはシールが非常にタイトな作りです。また、オーリンスフォークも同様。

社外のシールを探して組み込む人を見かけますが現在のフォークには自殺行為です。外国製フォークのこのような部品はサイズが合ったとしても社外品ではまったくその性能を維持できません。よって現在は使用するフルード、グリス等も専用化されています。

ライダーの体重によっては固い、ソフトという場面が出てきますが、tmの場合は70kgから80kgのライダー(トップクラスも含めて)に会うように設計しております。が、この部分は好みもあります。更に60kgの方での速いライダーであれば「もっと硬い」を望まれる。反面90kgの方でも不満の無い場合もあります。いずれにしても大きく超える場合はスプリングの変更も必須になります。

また、固いと感じた方がソフトスプリングに変更したらより固くなった。という場合も発生する場合もあります。

よく話題にのぼる「サグ」ですが、これまた、あまり意味が余りありません。特に我々一般人には。というのは単純にストロークの三分の一にする。とかマニュアルに10cmとか9cmとありますがあまり意識しないで、そのライダーが通常走行(がんばって走って)している自分の姿を第三者に見てもらって、スイングアームそして車体が極力路面に並行になるようにあわせるのが本当です。なぜなら人によってスピードが違いますから標準的体重の一般人の場合はサグを合わせるとほぼ100%硬いと感じます。一般的に言われるサグは速度も経験も相当なライダーだけの世界。 

また、クロームモリブデンフレームではある程度のしなりがありますが、アルミフレームは剛性が向上しており、前後のサスペンションの影響が前後サスそれぞれに発生し、より繊細になりますので、一度、一部位に3クリックという調整はありえません。 そういう意味も含めて専用なのです。

重要な事は、ライダーの知識、経験、レベルが相当高い場合を除いて必ずセットアップ時は第三者に走行状態を見てもらうということです。自分では良くても、また悪くても不満を覚える場合は自分の姿、走行状態はわかりませんので余計不明となります。

ですから、標準状態が不明の場合は自分で基準を決めて調整すべきです。例えばFは圧、伸び共に最弱から10クリック戻しから。Rも同様に自分なりの基準を決めてからが早道であり、標準がわからないからセットアップできないという話にはなりません。

また、tmは競技主体の競技車両ゆえにいくら調整してもご要望に添えない場合も発生します。例えばトレール、スクーターと同様な快適性能は最初から存在しておりません。ご理解の上ご相談ください。

但し、ライダーレベルによっては如何ともしがたい場合も発生する事もご理解ください。

キャブレターセットアップ

厳密に言いますと2Tの場合は使用される燃料、オイルの質でもジェッテングは多少変化します。例えば間違ってレギュラーガスを使用してしまって焼きつく。という場合もあります。これは点火時期が狂ったに等しくなるからであり、引火点の低いレギュラーの場合はオイル混合比率、A/Fも「濃く」しなければならないからです。また、エンジンに即損傷は現れないとしましても、振動発生、変化、増大によってマウントボルト類が緩み、フレーム、マウントブラケット等にクラックが入る場合もあります。

/Fとは空気と燃料の混合の事を指します。単純に15:1が最良と言われていました。

また、プラグの熱価です。

メインジェット10番に違いがプラグの熱価1に相当(NGK)と例えられています。つまり、“カブル“からプラグの熱価を下げると言うのは”薄く“成るのと同じになります。レーシングエンジンの場合”最悪は焼きつき“エンジンブロー”にいたります。この様なご使用は慣らし運転程度にとどめてください。

4Tの場合は異常燃焼によって振動も発生しヴァルブ、ピストンに損傷が出ますし、ピストンピンの磨耗が多くなり、結果エンジンに損傷を与えます。(特にチタンヴァルブ使用のマシンは注意)

tmの場合、2Tは98オクタン、4Tは95以上のオクタンガス使用を前提に設計されていますので2T、4T共にハイオクタンガソリンをご使用ください。

以上でいかに燃料、その質が、大事というのがお分かりかと思います。一般公道走行用のエンジンではないレース、競技用なのですから。キャブレターセッテング、プラグ、オイルの選定は一歩間違えると致命的損傷をエンジンに与えます。

現在の加速ポンプ付きキャブレターの場合。

セットアップは基本的にパイロットジェット、メインジェット。ただし、現実してニードルジェット、ジェットニードルがスロットル開度全体の75%を占めます。

勿論、それゆえに重要でニードルという部分もありますが、現在の基本はメイン、ついでパイロットです。また、ファイナルの状態でも変更するのも当たり前です。

先にものべましたがメインジェット10番がプラグの熱価1番に相当する。という部分ですが、それはつまり、通常大きな変更にはなりえないということです。同時にメインを大きくしたらパイロットもそれなりに調整しないと2Tの場合はエンジンを壊します。しかし、ライダーの右手(スロットルワーク)がキャブレターセッテングを補う。また、重要でもあります。言い方を変えると同じマシン、同じ場所でも乗り手によってジェッテングが違うのも当たり前です。

現在のマシン、エアーフィルターの状態も非常に重要になりますし、特に4Tはその状態でかなり変化するのはご存知だと思います。

tmの場合、メーカー出荷状態で北海道の場合は殆ど変更の必要は出ませんが、本州方面であれば夏場はメイン、パイロットの変更は必要となります。(2T&4T共に)

尚、トレールエンジン、小口径キャブなどによってデチューンされたエンジンと純粋なレーシングエンジンを比べても意味がありません。

キャブレターセッテング&オイルについて。

2Tは燃料に混ぜる混合式潤滑ですので、必ず車両メーカーの推奨オイル混合比でご使用ください。もしくは責任の取れるところの推奨品を推奨混合比

それはガソリンに混合されるオイルの量、質によって燃焼温度が変化します。その使用オイルによっては薄くしないとカブル、薄くした結果パワーが出たりします。これはいずれにしても設計、許容範囲を超える場合は損傷します。1%混合、つまり100:1といったオイルもありパワーが出る。と、いう謳い文句ですが燃えにくいオイルの絶対量が少ないが故にパワーが出る。つまり、当たり前ですが、100:1オイルがメジャーにならない理由としては根本的に良くないからでしょう。

因みに2%混合が50:1。 2.5%混合が40:1と成ります。

ですから2Tの場合は使用されるオイル、混合比を変更することによっても厳密にはキャブレターセッテングを変更すべきなのです。更に気温、湿度、路面、天候状況、機関運転音度等によって厳密に言うと必要です。

現実経験ですが、20年以上前ヤマハTZR250でサーキットにてサスペンションセットアップの際、混合比率を間違えてなんと30:1を300:1にして走行使用。レーシング走行ではなかったと言ってもその時は焼きつかなかった。これ目の前で起こった実話です。勿論、その後はエンジンOHでしたが気がつく前までは「すごいパワー、ピックアップも良かった!」とライダーは興奮気味に話していました。

これはツマリ。

どのようなオイルを使用されてもすぐに問題は出ませんが、寿命という部分、トラブル発生の率は桁違いに変化します。また、想像が出来ない部分に損傷発生する場合もあります。但し、現在のレーシングエンジンはパワーもそうですが懐が広く、耐久性も高い。それは主に排気ガス対策によるものですが、機関発生温度、運転温度に対応するオイル、粘度係数、つまり指定オイルをお守りいただけない場合「壊す」事になるのは同じです。

何度も繰り返しますが、2Tにしても4Tにしても極端ながら如何なるオイルを使用してもすぐには損傷しません。だからといって何でも良いわけではなく寿命、運転中の劣化による磨耗は想像を越えるほどだという事をご理解ください。

TV(ディスカバリーチャンネル)でスーパーカブがどのくらい丈夫なのか?と「使用済みてんぷら油」を注入して壊れないか?という番組があった。放送中は実際「使用済みてんぷら油」を入れて一般道路を走って音も走りもその放送内では異常なしでした。いくらなんでもやりすぎでしょうとはおもいますが。

最後に。

新車の慣らしは磨耗させないとまずいから、あまり良いオイルを使ってはいけない!と聞きましたと本当にそういわれた方がおいでになり、びっくり状態で驚きを超える話も実話である。

上記のように現在ネット社会において「言った者勝ち」で「幼稚で馬鹿げた、ウソ、間違いだらけ」の「バイクねた」が氾濫。また困った事にそれが“情報”となります。更なる問題はそれが一人歩きしますから、これらを正すのが本来の大事な部分、つまりセッテングウンヌンを語る前にしなければならない重要な事柄になっています。

勿論キャブレターセッテングに限りません。そう、いくらマニュアルを用意、製作してもその様な無責任“情報”を真に受けて読まれない、お守りいただけないのであればマニュアルの意味など最初からありません。

先のサスペンションのセットアップも同様であり、バイクは本来一人で乗って楽しむものです。得にオフロードは。よって、ライダー自身が手を掛けないとその楽しみは半減します。また、ライダーによってセッテングは無限にあります。その手助けは可能ですが、最終的にはライダーの判断によります。そしてその為にプロであるはずのショップが存在するのです。

いままで様々なご質問、車輌を見せていただいて「多い」のは”セッテングが狂っている、でない”のではなく”闇雲に触りすぎ”の原因がおおいですね。

ですから、それらが出来ない、しないショップはユーザーにとって存在意味がありません。なぜなら、販売する、修理する。事によって利益を頂いていますから責任が発生する。その利益が多い少ないはユーザーの問題ではなく販売側、もしくはその店と問屋との問題です。更に利益の大小は関係なく責任は一定です。しかし、現実は儲からないからサービスはなくとも良い等と勘違いしているお店が多い。と、何かがおかしいのも問題ですが、残念ながらその様なお店に教えるほどこちらは偉くもありません。

以上非常にシビアな部分として本来レーシングエンジンはこのくらい神経を使うのが本当です。という事を知っていただきたくて老婆心ながらお伝えしましたが、ありがたいことに現在のマシンは非常に寛大となりました。つまり、我々は昔より簡単に高性能を味わう事ができています。

しかし、だからといってオイル混合比を変更、推奨外オイルを使用、添加剤を注入、熱価違いのプラグ、改造、パーツを使用というのはあくまでも自己責任。それらを行うと本来の性能発揮はおろか、ブローしたり寿命が確実に短くなります。特に添加剤!当社の経験では特に固体の添加剤というか、テフロン系はレーシングエンジンには不向きです。かなり高い確率でエンジンブローにつながります。

レーシングエンジンというのは正しく使う部分では「巌のように丈夫」ですが、一歩間違えると「ガラス細工のように繊細」だと言う事をお忘れなく。

サス、キャブといった感覚の部分も調整というのは基本的に当方では状況が判らない場合も多く、それが原因で不満を覚える場合も見受けられますが、不満がどこにあるのか判らない場合は手当てのしようがありません。例えば「なぜか、以前と違う」「変なのです」と言われても対応が出来ない。当方で試乗可能であればお答えできる場合も多々有りますが、無い場合は的外れな話になる場合もあります。

サスペンション、キャブレターといったセットアップが必要な部位の説明はこのように文章にしますと長くなります。また、全て伝え切れませんのでこの部分はお電話でお願いします。また、時間的にマッチし、ご来社が可能な方はいつでもご来社ください。セットアップのお手伝いは可能です。(但し、修正が必要な場合等は有料となる場合も有ります。)

なにより、一緒に走るのが一番ですが!

以上の内容は何度も紹介しておりますが、必要な方はプリントアウトの上参考にしてください。